23分間の奇跡
青島幸男・訳(ジェームズ・クラベル)

本体438円+税 ISBN :4-08-749357-1


「みなさん、おはよう。わたしが、きょうからみんなの先生ですよ」と新しい先生がいった。時間はちょうど九時だった。その女教師は“最初の授業”でいったい何を教え、そして子供たちは、23分間でどう変わったのか――? 自由とは、国家とは、教育とは何か、読者ひとりひとりに問題を提起する。やさしい英語の原文を巻末に収録。


明日
一九四五年八月八日・長崎

井上光晴

本体400円+税 ISBN :4-08-749120-X 解説:秋山 駿


原爆投下の前日八月八日、長崎の街にはいま現在そこに住む人々と、おなじ人間の暮らしがあった。結婚式を挙げた新郎新婦、刑務所に収監された夫に接見する妻、難産の末に子供を産む妊婦…など。愛し傷つき勇気を奮い起こし、悲喜こもごも生きる人々を突然に襲う運命の《明日》。人間の存在を問い、核時代の《今日》を鮮烈に描く長篇。


看護学生物語
わが青春に悔いあり

江川 晴

本体476円+税 ISBN :4-08-747079-2 解説:早乙女勝元


咲江は期待と不安を胸に看護学校に入学した。昭和17年のことである。このときすでに戦時下にあった日本は、この後戦況が悪化し敗戦への道をつき進む。地響をたてる高射砲の音。耳をつんざく砲弾の炸裂音の中で咲江は担架さえも放り投げたい衝動にかられた。だが次の瞬間心の中で叫んだ。“わたしは患者を守る看護婦なんだ”。戦時下に必死に生き抜いた若き看護学生たち。著者の自伝的小説。


太平洋戦争
兵士と市民の記録

奥野健男・監修

本体952円+税 ISBN :4-08-748356-8 解説:奥野健男


1941年12月8日未明、連合艦隊はハワイ真珠湾を奇襲した。すでに中国を侵略していた日本軍は、アメリカとの決戦により、さらに戦域を拡大していった。しかし日本の侵略行為も原爆投下という空前の惨劇で終局を迎える。はたして太平洋戦争は何をもたらしたのか。本書に収められた凄絶な生と死の記録は、二度とくり返してはならぬ戦争の悲惨さを私たちに伝えてくれる。



チーチャンへの絵手紙
戦後日本、父が送ったあふれる愛

岡本 馨

本体686円+税 ISBN :4-08-748808-X 解説:原田宗典


終戦後の昭和20年代、家族を疎開先に残したまま東京で働いていたお父さんは、幼い末息子のチーチャンに絵手紙を送り続け、離れた家族へのあふれる想いを絵に託しました。四季折々の子供たちの絵と短い文にこめられた深い父の愛。
「お父さん、貴方の絵手紙はわたくしに、そしておそらくこれを目にする人すべてに、多くの大切なことを思い出させてくれます」(原田宗典・解説より) オリジナル文庫。


アラブのこころ
曾野綾子

本体495円+税 ISBN :4-08-750199-X 解説:吉村作治


アラブ人とはいったいどのような人々なのか? 著者のういういしい好奇心は、パレスチナ問題からイスラム教徒の日常生活の掟、恋愛、結婚、子供の命名法、あるいは迷子になったラクダの所有権のきめ方までを、足と目と耳をつかった綿密な取材で明らかにする。アラビアン・ナイトの国の現代の素顔は、新鮮な驚きに充ちたひとつの物語なのである。


海軍特別攻撃隊―特攻戦記
豊田 穣

本体467円+税 ISBN :4-08-750339-9 解説:太田 孝


一機一艦、必中の肉弾攻撃。レイテ湾の米艦隊めがけ史上初の体当りを敢行――世界を震撼させた神風特別攻撃隊の第一陣であった。祖国の明日を信じ、流星に似た光芒を放って突入する情況を、つぶさに活写する特別書下し「特攻発動!」。他に太平洋の空に海に、決然と死地に赴いた若人たちの真情と祈りを万感の想いをこめて描く特別戦記四篇。


広場の孤独 漢奸
堀田善衞

本体552円+税 ISBN :4-08-748859-4 解説:高 史 明


朝鮮戦争勃発にともない雪崩のように入ってくる電文を翻訳するため、木垣はある新聞社で数日前から働いている。そこには「北朝鮮軍」を“敵”と訳して何の疑いを持たぬ者がいる一方、良心に基づき反対の側に立とうとする者もいた。ある夜、彼は旧オーストリー貴族と再会し、別れた後ポケットに大金を発見する。この金は一体何か。歴史の大きな転換期にたたずむ知識人の苦悩と決断。日本の敗戦前後の上海を描く「漢奸」併収。


砲撃のあとで
三木 卓

本体457円+税 ISBN :4-08-750010-1 解説:中野孝次


「少年は疾走していた。木々の葉の間を縫って光は斜めに射し、放射する幕のなかで狂ったような霧が踊っていた」敗戦で秩序の破壊された大陸で、無法と死に追われる少年の目に、飢と疾病に晒された世界が焼きつく。
芥川賞受賞作「鶸」をはじめ「砲撃のあとで」「曠野」「竪笛」「流れのほとり」など、戦争の生々しい傷あとを描く連鎖状作品を集める。


興亡と夢 全5巻
三好 徹

本体648〜724円+税 ISBN :4-08-749356-3


この作品は、日本人の運命と日本の針路を決定づけた「二・二六事件」から十数年間の歴史をつづったもので、執筆に五年の歳月を費した。日本の動きだけでなく、世界史のなかの日本という視点に立って書いた。いいかえれば、ヒットラーやルーズベルトが何を考えたかによって、わたしたち日本人の運命も変わってきた。戦争を知らぬ世代にも経験してきた世代にも読んでいただきたいと思う。  
                             三好徹


朱 夏 (上・下)
宮尾登美子

本体(上)543円(下)495円+税 ISBN :(上)4-08-749344-X・(下)749345-8 解説:高橋 治


綾子、19歳。土佐の開拓団の子弟教育のため、夫の要の満州(現、中国東北部)行が決まると、大陸での生活を夢み、生後50日目の美耶を抱え、故郷を旅立った。広野での生活は不便さ半分、楽しさ半分だったが、戦局は悪化し、やがて日本の敗戦が知らされた……。宮尾文学の原点、自伝的長篇小説。


夏の花
原 民喜

本体362円+税 ISBN :4-08-752041-2  解説:藤井淑禎


1945年8月6日、人類史上初の原爆投下に広島は死体で埋まり、傷ついた人々のうめき声で満ちた。自らも被爆した詩人・原民喜はこの人間存在の凌辱ともいえる悽惨な地獄絵に直面し、「このことを書きのこさねばならない」(本文より)と固く決意する。名作「夏の花」ほか「壊滅の序曲」、「廃墟から」を収録。


7月4日に生まれて
ロン・コビック/日高義樹・訳

本体429円+税 ISBN :4-08-760177-3


ロン・コビックは1946年の7月4日に生まれた。輝けるアメリカの独立記念日。ケネディ大統領が暗殺された17歳のときに海兵隊入隊を決めた。ベトナムに送られたコビックはそこで地獄を見た。戦友を殺し、幼児を殺し、自らも胸部以下麻痺という重傷を負った。開高健氏が「これは飽満の白晝が不意に呻唸の深夜となった遍歴行の、ペン先の裂けたスケッチ集である」と評したノンフィクション。


アドルフ・ヒトラー 全4巻
ジョン・トーランド/永井 淳・訳

本体各933円+税 ISBN :4-08-760180-3


はずかしがり屋の聖歌隊の少年、長じて画家になることを夢見たナイーヴな青年が、20世紀最大の悪魔に変わったのはなぜか? 出生、ウィーンでの青年期、第一次大戦での負傷、ナチス結党……200人以上に及ぶインタヴュー、公刊・未公刊の日記・書簡・公式文書などさまざまな資料をもとに克明に描く、アドルフ・ヒトラー伝の決定版。
 
 
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