今野敏『アンカー』累計50万部突破!大人気「スクープ」シリーズ第4弾

内容紹介

嗅覚の報道記者×執念のベテラン刑事
報道番組『ニュースイレブン』の名物記者・布施は、十年前に起きた大学生刺殺の未解決事件に関心を寄せる。この継続捜査を、警視庁特命捜査対策室の刑事・黒田が担当することになるが、謎は深まるばかり。一方、番組の視聴率低迷を受け、関西の系列局から栃本という男が送り込まれた現場には、不穏な空気が漂い始める。報道の本質とは何か。そして、事件の意外な真相とは。スクープシリーズ第4弾!
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書名:アンカー
著者名:今野敏

2020年2月20日発売
定価:本体740円+税
カバーデザイン/岡田ひと實(Fieldwork)
写真/Getty Images
ISBN:978-4-08-744075-1

登場人物紹介構成・文/石倉かよこ

布施京一 「他人の気持ちが想像できなくなったら、記者なんてやめたほうがいい」

所属/東都放送ネットワーク、通称TBN報道局社会部『ニュースイレブン』鳩村班。 立場/社会部の遊軍記者。 ルックス/どちらかといえば小柄で細身。遊び人風。 ファッション/仕事では色あせたジーンズにくたびれた革ジャン、飲みに行くときは鮮やかなシャツにコットンパンツなど。 酒/『かめ吉』ではビールかコップ酒。クラブ等ではカクテル、ウイスキー。 食事/野菜炒め定食、ハンバーガー、焼き肉、スペアリブなど。見かけによらず大食漢。 追記/一見、仕事好きにも努力しているようにも見えないが、抜いたスクープは数知れない。記者だがテレビに顔を出さない主義。独自の視点と情報網、取材力を併せ持つ。誰とでもすぐに仲良くなり、信頼される。

黒田裕介 「あんた、俺の警察手帳(チョウメン)を利用して取材しようというのか?」

所属/警視庁捜査一課、現在は特命捜査第二係(未解決事件の継続捜査を担当)。
 立場/部長刑事。 家族構成/妻と2人暮らし、子供はいない。 ルックス/布施より一回り近く年上に見える。耳のあたりに白髪が見え始めている。目が大きく鋭いので凄むと迫力がある。疲れると白目の部分が赤く濁る。口が大きく威圧的。 ファッション/スーツだが、ズボンの折れ目はとれかけ、肘のあたりに皺が寄っている。 追記/学生時代は柔道部。刑事はペアで行動する決まりだが、後輩を指導するのは苦手。 布施を評して/「つきだの運だのと言っているが、実は、ネタを追っているときは、腹を空かせた狼みたいに貪欲なんだよ。おまえ、それを見せないだけだ」

鳩村昭夫 「真の報道というのは、抜いた抜かれたのスクープ合戦じゃない」

所属/TBN報道局社会部。 立場/看板番組『ニュースイレブン』に2人いるデスクのうちの1人。 家族構成/妻、息子1人の3人家族。 ファッション/当番、非番に関わらずいつも紺色のスーツ。同系色のストライプのネクタイが多い。 酒/帰宅後に缶ビールなどの晩酌を習慣とするが、それで満足。 追記/放送記者からのたたき上げで、業界には珍しく時間に正確。まわりにもそれを求める。 布施を評して/「こいつは要領が良くて、運に恵まれてるだけだ」

香山恵理子 「ミニスカートでニュースを読んでいれば、それでいいということ?」

所属/芸能事務所。 立場/契約のキャスター ルックス/170センチの長身、ショートカット。よく光る大きな目。知的で冷たそうな印象があるが、笑うとえくぼができて愛らしい。スタイルがよくスーツ姿はセクシー。 ファッション/出演時は季節に合わせた色合いのミニスカートスーツ。仕事前はジーンズにセーターなど。 追記/綺麗な脚で番組の視聴率に貢献。ジャーナリストとしての意識は高く、勉強熱心。 布施を評して/「彼が本気になってるのを感じるの。そういうときは、必ずスクープを持って帰ってくる」

鳥飼行雄 「わかった。何とかするから、任せてくれ」

所属/TBNアナウンス部。 立場/『ニュースイレブン』のメインキャスター。局所属のベテランアナウンサー。 ルックス/ロマンスグレー、知的でクールな表情。渋い声と冷静な語り口調で主婦層のファンをつかんでいる。 ファッション/上品でおしゃれ。ダークグレーの背広に合わせたペイズリーのネクタイは、複雑な色がまじりながら基調は美しいブルーなど、かなりのこだわり。 追記/経験値が非常に高く、素材を視聴者に提供する技術に優れている。 布施を評して/「これまでに布施ちゃんが一度でもドジを踏んだことはあるか?」

谷口勲 「突っつけば、動き出すかもしれません」

所属/警視庁捜査一課特命捜査第二係。 立場/刑事。理論派で合理性を重視する。 酒/黒田に『かめ吉』へよく連れて行かれるが、本当は渋谷か、近場なら赤坂が好み。 追記/ベテランの黒田と組んで戸惑うことが多い。余計なことを口にしないので何も考えていないように見られるが、けっこう思慮深く鋭い。経験は浅いが、従順さに加え、できないこと、わからないことを認める素直さも併せ持ち、成長が期待される。

持田豊 「君だけにスクープ、やられちゃいられない」

所属/東都新聞社会部。 立場/遊軍記者。 ルックス/小太りで丸顔。30歳を過ぎているが、童顔で年齢不詳。顔色は妙に青白い。 追記/新聞というのは社会正義であると本気で信じているが、正義感や反骨精神がよく空回りしていることに本人は無自覚。黒田にはうっとうしがられるが、自分で気づかずいい働きをすることもあり、布施や谷口にうまく使われている。

スクープ

「スクープ」シリーズ

これまでの事件FILE

構成・文/石倉かよこ
FILE① 『スクープ』事件(『スクープ』第一章) 活躍度布施★★★★★黒田★★★★
六本木のクラブ『カメリア』のバーカウンターに、一見遊び慣れた風の男。布施京一である。店にタレントの友坂涼が、カラオケ屋で拾ったという2人の女性を連れて出現。友坂に誘われて、布施は赤坂の高級マンションへ。そこでは……。
FILE② 『傷心 HEARTBREAK』事件(『スクープ』第二章) 活躍度布施★★★★黒田★★★★恵理子★★★
東名高速用賀インター付近で玉突き事故が発生、女優の沢口麗子が死亡する。ワイドショーは、Jリーガーの加瀬陽一との婚約破談の失意による自殺と見て取材合戦を展開。一方、布施は関東興志会との関連に目を向ける。だが……。
FILE③ 『遊軍記者』事件(『スクープ』第三章) 活躍度 布施★★★★★ ミンミン★★★★ 持田★★★
東都新聞社会部の記者・持田は、独自の情報源をたどって中国人麻雀賭博場へ。日本人に敵意が向けられる中で潜入取材中、持田は心底驚く。奥の卓でTBNの布施が、慣れた様子で麻雀を打っていたのだ。そこに警察の手入れが……。
FILE④ 『住専スキャンダル』事件(『スクープ』第四章) 活躍度布施★★★★★黒田★★★★★持田★★★
元アイドル歌手・栗原弘美の遺体が都内のホテルで発見された。覚醒剤使用の疑いがあり布施は心を乱す。一方、持田は住専関係の取材に余念がない。ぴんときた布施は弘美の友人でタレントの立原美香に持田を逢わせる……。
FILE⑤ 『役員狙撃』事件(『スクープ』第五章) 活躍度 黒田★★★★★ 布施★★★★ 鳩村★★★ 持田★★★
他局が情報漏えい問題を起こしたため綱紀粛正となり、TBNでも素行に問題のある布施が外出禁止に。『かめ吉』に現われない布施を気にかけ黒田が電話、『ニュースイレブン』放送直前に入ったネタがガセだと判明して……。
FILE⑥ 『もてるやつ』事件(『スクープ』第六章) 活躍度布施★★★★★黒田★★★★★
元アイドル歌手・折原沙枝と人気俳優・朝霞勇次の婚約が報じられ、ワイドショーは祝福ムード。一方、布施は22歳のホステス殺し事件が気になる。そんな折、なんと朝霞勇次がホステス殺しの参考人であることが判明。
FILE⑦ 『渋谷コネクション』事件(『スクープ』第七章) 活躍度布施★★★★★黒田★★★★★恵理子★★★★
渋谷109前で中年男性がオヤジ狩りに遭う。男性はテレクラで知り合った少女リナと待ち合わせていたが、リナはグループリーダーのシュウに連れ去られる。TBNでは会議中、布施が「しばらく姿を消す」と発言、恵理子は気になる。
FILE⑧ 『ヘッドライン』事件 活躍度布施★★★★★黒田★★★★★谷口★★★★持田★★★鳩村★★★
『ニュースイレブン』の18時の会議に遅刻ばかりしている布施が珍しく出席、非番の日も朝から局に出社している。気になる事件があって、局内のアーカイブ室で調べ物をしているのだと言う。鳩村は布施が数々のスクープをものにしている情報源に興味を持ち、布施の夜遊びに付き合うことにした。
一方、黒田は、『かめ吉』での雑談から、布施が1年前に迷宮入りした美容学校生猟奇殺人事件に興味を持ち、調べ直していると聞いて驚く。まさに黒田が追っている事件だったのだ。布施の取材、黒田の捜査の双方から、事件は意外な関連性を見せ始める。新レギュラー、谷口勲刑事も登場。
FILE⑨ 『クローズアップ』事件 活躍度布施★★★★★黒田★★★★★谷口★★★★★鳩村★★★★★
早朝、赤坂檜町公園で刺殺死体が発見された。各テレビ局は朝9時のニュースで一斉に放送。局で『ニュースイレブン』の準備をしていた鳩村は、布施が午前中から出社しているのに驚く。何でも、たまたまミッドタウン近くのバーで朝まで飲んでいたところ、サイレンの音がしたので現場に行ってみたと言う。布施はケータイのカメラで、他局には不可能な事件直後の生々しい映像を撮影していた。スクープだった。
一方、警視庁捜査一課では、谷口が黒田に命じられ、事件の詳細を調べに捜査本部のある赤坂署へ。被害者は『週刊リアル』のライターで片山佳彦。暴力団の詳細な情報を売りにしている雑誌である。なぜ担当でもない事件に黒田が興味を持つのか、谷口は不思議に思う。黒田と谷口は特命捜査対策第二係勤務、未解決事件の継続捜査が担当で、新しい事件に用はないはずだが、黒田は「なぜか気になる」としか言わない。
政局では、政治家・壇秀人のスキャンダルが話題を呼んでいた。女性ジャーナリストとの一夜、暴力団組長との癒着というものだが、そのどちらも布施は否定。同じ選挙区の衆議院議員・宮崎大樹に仕組まれたネガティヴキャンペーンで、次は舌禍事件を起こすはずだと言う。果たして翌朝にはその通りになり、鳩村は舌を巻く。そして……。
様々な事件が意外な関連を見せ、すこしずつ事実が浮き彫りにされてゆく。鳩村と谷口、名脇役2人の視点から描かれた「スクープ」シリーズ第3弾。

初出:小説すばる 2013年5月号

→そして次なる事件は『アンカー』で!

今野敏(こんの・びん)
1955年北海道生まれ。上智大学文学部在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞を、2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞を、08年、『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞を、17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。SF、伝奇アクション、ミステリなど幅広い分野で活躍。『呪護』『炎天夢 東京湾臨海署安積班』『清明 隠蔽捜査8』等、著者多数。空手道「今野塾」を主催する武道家でもある。
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