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コラム
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第五回「『詩のボクシング』全国大会」
声のパンチ、言葉のパンチ   2006.10.18
〈文・小山田桐子〉
感動の一瞬
感動の一瞬
「だから、観客の人が『これは詩だ』と思った時、初めてそれが詩になるのだと思います。しかし、この『詩のボクシング』の場で表現されるのは、あくまでも『詩』ではなく、『詩のボクシング』という表現スタイル。それを『詩だね』と評価するのか、『小説だね』とか『映像のない映画のようだね』と評価するのかは、観客ひとりひとりの聞き方によるのだと思います」
 全国大会には各地のチャンピオンが出場しているが、各地の大会はそれぞれに独立したものであり、全国大会の予選ではない、と楠さんは強調する。
「そもそも、全国大会をやろうとは考えていなかったんです。これは面白い、ということで、次第に全国に広まっていき、各地のチャンピオンが生まれたことで、結果的に全国大会で日本一を決めることになった。僕の気持ちとしては、地方での大会を予選と捉えるのではなく、日常に近いところで、声を楽しめる場として考えてほしい。単に朗読技術を競うような、いかにもという人しか出場できない大会ではなく、もっと出場者も聞く側も背伸びをせず身の丈の声と言葉を楽しむ場であってほしいんです」
 来年、「詩のボクシング」は10周年を迎える。来年11月3日には徳島で高校生の全国大会が行われる他、10月には、これまで各地の大会を盛り上げた実力派、個性派の朗読ボクサーたちを選抜してステージを行う予定だという。10月のステージは芝居形式の中で、朗読ボクサーたちの表現力、魅力を堪能できる新しい試みなのだとか。ますます盛り上がりを見せる朗読ボクシング。この面白さは体験して初めて分かる部分も大きいので、ぜひ、出場する側でも、観戦する側でもいいので、体験することをお薦めする。


●イベントデータ
第6回「詩のボクシング」全国大会

 リング上で、2人の朗読ボクサーが交互に自作朗読し、どちらの朗読がより観客に届いたかをジャッジが判定する『詩のボクシング』。その第6回全国大会が10月7日に開催された。佐賀、大阪、徳島、広島、奈良、兵庫、香川、長野、高知、滋賀、宮崎、岡山、神奈川の大会を制した13人と、北海道大会からの2人、そして初となる外国人枠選手1人をあわせた、16人のチャンピオン朗読ボクサーが日本一を目指してトーナメント戦を闘い、熱戦の末、第6回の優勝者は第4回香川大会チャンピオンの木村恵美さん、準優勝者は外国人枠選手のマハット・ラリット・マヤさんと決定した。

日時:2006年10月7日(土)13時ゴング
会場:イイノホール(東京・千代田区)
闘いの歌:国本武春
ジャッジ:鈴木史朗(タレント・フリーアナウンサー)、黛まどか(俳人)、ピーター・バラカン(ブロード・キャスター)、蛭子能収(漫画家)、国本武春(浪曲師)他
主催・問い合わせ:日本朗読ボクシング協会 045−788−2979(電話・FAX)、e-mail:voice@jrba.net
ホームページ:http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/bout.htm

    5
 
Back number
第一回
  『エンカウンター』
本と人とが運命的に出会う場所
第二回
  『六本木ライブラリー』
人と人を結ぶ、大人の自由空間
第三回
  『TRICK+TRAP』
すべてのミステリファンの「書斎」
第四回
  『国立国会図書館』
何回生まれ変わると全部読める?
第五回
  『「詩のボクシング」全国大会』
声のパンチ、言葉のパンチ
第六回
  『COW BOOKS』
「BOOK BLESS YOU」
第七回
  『読書グッズ特集』
本が好きだから作りました
第八回
  『魔法のiらんど』
ケータイ小説の魔法
第九回
  『ボイルドエッグズ』
才能の代理人
第十回
  『ショートソング』
小説が漫画になるとき
第十一回
  『池袋コミュニティ・カレッジ』
本読みの達人になるために
最終回
  『LOFT/PLUS ONE』
作家も一日店長に!?
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