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コラム
We Love Books
第十回「ショートソング」
小説が漫画になるとき   2007.03.20
〈文・小山田桐子〉
 本好きなら一度は行ってみたい場所、挑戦したいことを紹介してきた『We Love Books』ですが、今回、紹介するのは小説の漫画化。“小説の漫画化”と一口にいっても、作品によって、それぞれの事情、関わる人の思いは千差万別だと思うのですが、今回は、『スーパージャンプ』8号(2007年3月28日発売)で連載がスタートする『ショートソング』の原作者・枡野浩一さんと、漫画化を手がける小手川ゆあさんにお話をうががい、漫画化の面白さ、困難さをうかがってみたいと思います。
 今回も若手編集者Iさんと『ショートソング』の舞台でもある吉祥寺の街へと、枡野浩一さんに会いに行ってまいりました。小手川さんは残念ながら、漫画化の作業の真っ最中。ということで、後ほど文書で質問に答えていただきました。

ショートソング
ショートソング
 さて、まず『ショートソング』の内容を簡単にご紹介。物語は、ハーフの美男子なのに内気でいまだにチェリーボーイの克夫と、メガネの似合うプレイボーイで、天才歌人の伊賀というふたりの視点から綴られます。克夫は憧れの先輩・舞子にデートに誘われるのですが、連れて行かれたのは、なんと短歌の会! そこで、克夫は伊賀に出会い、すぐに舞子が誰を思っているのか、ということも察してしまうのです。
 青春時代の淡い恋、挫折、葛藤、成長を描いた作品というと、とってもベタなようですが、この『ショートソング』は小説の中で登場人物たちが勝手に息をして、思い思いに生活を始めたような、不思議なリアリティがあり、気づいたら、自分の隣の席で、克夫や伊賀がお茶を飲んでいるかもしれない、と思わされます。実に愛すべき青春ストーリーなのです。

作中シーンの再現をする枡野さん
作中シーンの再現をする枡野さん
 この小説には吉祥寺にある実在のカフェがたくさん登場しており、それも魅力のひとつなのですが、そのひとつ喫茶「ダーチャ」で枡野さんとお会いすることに。
 喫茶「ダーチャ」は置いてある本や雑貨などひとつひとつが間違いなくおしゃれなのに、威圧するようなおしゃれさでは決してない、とても居心地の良いカフェでした。きょろきょろお店を見回しているところに、入ってきたのは……伊賀さん?!
 いや、本当にそう思ってしまうほど、そのものの姿の枡野さんが登場したのでした。
『ショートソング』の表紙から抜け出したかのような姿で、登場してくれた枡野さんは、「伊賀ファッションで来ました」とニヤリ。そのサービス精神に感激しつつ、さっそく、お茶を飲みながら、枡野さんに漫画化についてお話をうかがうことにしました。

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Back number
第一回
  『エンカウンター』
本と人とが運命的に出会う場所
第二回
  『六本木ライブラリー』
人と人を結ぶ、大人の自由空間
第三回
  『TRICK+TRAP』
すべてのミステリファンの「書斎」
第四回
  『国立国会図書館』
何回生まれ変わると全部読める?
第五回
  『「詩のボクシング」全国大会』
声のパンチ、言葉のパンチ
第六回
  『COW BOOKS』
「BOOK BLESS YOU」
第七回
  『読書グッズ特集』
本が好きだから作りました
第八回
  『魔法のiらんど』
ケータイ小説の魔法
第九回
  『ボイルドエッグズ』
才能の代理人
第十回
  『ショートソング』
小説が漫画になるとき
第十一回
  『池袋コミュニティ・カレッジ』
本読みの達人になるために
最終回
  『LOFT/PLUS ONE』
作家も一日店長に!?
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