世界50カ国語に翻訳され、シリーズ累計4000万部超!

ジョー・ネスボの刑事ハリー・ホーレ シリーズジョー・ネスボの刑事ハリー・ホーレ シリーズ

ジョー・ネスボ Jo Nesbø

1960年ノルウェーのオスロ生まれ。少年期にはサッカーに熱中しプロ選手を目指すも、膝を故障し断念、ノルウェー経済大学に進学。卒業後、金融機関に就職する傍ら、大学時代から始めた音楽活動も続行し、バンドを結成。しばらく仕事とバンドを両立させていたが、やがて燃え尽き症候群のような状態となり、オーストラリアへ半年逃れる。この時初めて書いた小説『ザ・バット 神話の殺人』が「ガラスの鍵」賞を含む複数の賞を受賞、作家への道が開ける。その後、ハリー・ホーレを主人公とするシリーズ11作品を書き継いでいる。
このシリーズは世界40カ国以上で出版され、累計3500万部を超える部数を誇る。

『ザ・バット 神話の殺人』でこの世に誕生したハリー・ホーレとは、いかなるキャラクターか。

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ハリー・ホーレ シリーズ ラインナップ

ハリー・ホーレ登場!(「ガラスの鍵」賞受賞作)

『ザ・バット 神話の殺人』

戸田裕之 = 訳

オーストラリアで起きたノルウェー人女性殺害事件。オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のためシドニーに単身赴く。彼も加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、見逃されていた一連のレイプ殺人。犯人の目星は二転三転し、さらに自身の過去にも苦しめられるハリーは……!?

本書には随所にチェンジ・オブ・ペースをする個所がある。それまではハリーとアンドリューの、緊迫感はあるが全体としてはのどかな相棒小説と見えていたものが、ある一点でがらっと変わる。物語の色彩が変わるだけではなく、事件の様相までがそれまでと違ったものに見えてくるのがミステリーとしての美点である。

杉江松恋氏 本書解説より)

オスロ・シリーズ 1(CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作)

『コマドリの賭け』 上・下

井野上悦子 = 訳

公安警察局に異動となったハリー。警部に昇進したものの、各地からの報告書に目を通すだけの閑職だ。しかし、ある報告から、ノルウェーに高性能狙撃ライフルが密輸された形跡を見て取る。何かが起ころうとしている―。第二次大戦から戦後のノルウェー史の闇に潜んでいた亡霊を阻止できるか。

かなり複雑な構造の作品で、時間軸が現在と過去を行き来する。しかも過去―第二次大戦中の出来事が、少し多めかと思えるほど大胆にカットインされるので、前半は話が前後して読み進めるのに苦労するかもしれない。しかし下巻からはスピードに乗って、一気に読み切れるだろう。複雑さとスピード感が同居するこの読み味は《ハリー・ホーレ》シリーズに共通したものだ。

堂場瞬一氏 本書解説より)

オスロ・シリーズ 2(エドガー賞長編賞候補作)

『ネメシス 復讐の女神』 上・下

戸田裕之 = 訳

オスロ中心部の銀行に白昼強盗が押し入り、銀行員一人を射殺、金を奪って逃走した事件は、手がかりひとつなく難航が予想された。一方、かつてのガールフレンド、アンナと食事をしたハリーは、翌朝、前夜の記憶がない状態で目覚めた。そしてアンナが死体で見つかり、殺人の容疑がハリーに降りかかる。

本書の場合、ラストの対決が、なんとスリリングであることか! ときに詩的に、エモーショナルに、サスペンス豊かに、実に堂々と物語っていて、もうほれぼれする巧さだ。ノルウェーの冬の情景を切り取る抒情的な筆致もあざやかで、人々の心が美しく、淋しく、やるせなく息づいていて、忘れがたい印象を残す。

池上冬樹氏 本書解説より)

オスロ・シリーズ 3

『悪魔の星』 上・下

戸田裕之 = 訳

一人暮らしの女性が銃で撃ち殺され死体で見つかる。左手の人差し指が切断された上に、遺体には珍しいダイヤモンドが残されていた……。同僚刑事の殉職事件を追い続けていたハリーは、捜査中止の命令を無視したため、免職処分に。正式な処分発令まで、女性殺害事件の捜査に加わるが―。

本書は警察捜査ミステリとして実に周到な構成を持った作品である。宝石などの小道具を使った禍々しさの演出、至る所に仕掛けられたミスリードの数々、さりげない伏線の配置がそれぞれ上手く決まっており、読者を十分惑わせた後に驚嘆させる手管には感心してしまう。

若林踏氏 本書解説より)

オスロ・シリーズ 4(CWAインターナショナル・ダガー賞最終候補作)

『贖い主 顔なき暗殺者』 上・下

戸田裕之 = 訳

街頭で起きた射殺事件。捜査に当たるハリーは、衆人環視のなかの事件なのに目撃証言がまったく得られないことに疑問を抱く。一方、暗殺の実行犯は、すぐにオスロから脱出しようとするが、降雪で航空便が欠航になり、一晩滞在せざるを得なくなり……。厳寒のオスロでの疾走感溢れる追跡劇。

『ネメシス 復讐の女神』や『悪魔の星』に顕著なように、ジョー・ネスボは名探偵による謎解きに凝る作家だ。本書の核となるアイデアのシンプルで隙のない美しさと用意周到な犯罪計画は、騙しの天才ジェフリー・ディーヴァーの諸作に匹敵すると言っても過言ではないだろう。

川出正樹氏 本書解説より)

オスロ・シリーズ 5

『スノーマン』 上・下

戸田裕之 = 訳

オスロにその年の初雪が降った日、一人の女性が姿を消した。彼女のスカーフを首に巻いた雪だるまが残されていた。捜査に着手したハリー・ホーレ警部は、この十年間で、女性が失踪したまま未解決の事案が明らかに多すぎることに気づく。そしてハリーに謎めいた手紙が届いた……。

この作品は連続猟奇殺人を本筋に据え、現在と過去を行き来しながら、ノルウェーの、あるいは世界の、政治、歴史、音楽を含めた文化全般、習慣、性(セックス)と性(ジェンダー)、環境など、さまざまな要素を取り込んで、登場人物と物語の背景を重層化させ、不気味で倒錯的な雰囲気を醸すことにも成功しているし、本格ミステリーでありながら、同時に、社会派的な作品としても十分に読むことができるようになっている。また、猟奇殺人の犯人捜しは二転三転し、文字どおり、あっと驚く結末に仕上げられている。

(本書訳者あとがきより)

オスロ・シリーズ 6

『レパード 闇にひそむ獣』 上・下

戸田裕之 = 訳

自分の血液で溺死した女性二人──。“スノーマン”事件で受けたダメージから回復しきれていないハリーの前に持ち上がった凶器不明の奇怪な殺人。これは連続殺人事件なのか。警察組織間の主導権争いの狭間で制約を受けながら、困難な捜査に乗り出すハリー。被害者の繫がりと犯人の動機は?

謎の連続殺人犯に対し、ハリーは文字通り満身創痍となって立ち向かう。物語の舞台もノルウェー国内にとどまらず、遠くアジアやアフリカにまで広がっていく。単に空間の広がりだけではなく、さまざまな面でスケールアップしており、シリーズ集大成のごとき醍醐味を持ち合わせている一作といえよう。

吉野仁氏 本書解説より)

ハリー・ホーレのプロフィールハリー・ホーレのプロフィール

外見

身長192センチメートルの長身、痩せているががっしりした体格。金髪を極端に短く刈ったいびつな形の頭。大きな鼻、薄青い瞳、意志的な顎と、驚くほど優しく、ほとんど美しいと言っていい口。

履歴

オスロ市ウップサル生まれ。オスロ市のソフィー通りのアパートに住む。警察学校卒業後、大学の法学部で法律を学ぶ。オスロ警察本部に職を得て、刑事部の捜査員となる。アメリカのFBIに派遣され、特に連続殺人の捜査法について特別講習を受ける。刑事部の刑事から、一時、公安警察局に異動になり、警部に昇進するが、その後、また刑事部に戻る。
上司によれば「オスロ警察刑事部きっての敏腕捜査官にして、最悪の公僕」。

趣味

音楽はデューク・エリントンからセックス・ピストルズ、ニール・ヤングからスリップノットまで幅広く聴く。
映画は、コッポラの『カンバセーション…盗聴…』が、オールタイムベスト。珍しいところでは、バーホーヴェンの『スターシップ・トゥルーパーズ』を高く評価し、メル・ギブソンの『ブレイヴハート』をあまり買っていない。
10代後半から大酒を飲むようになり(ジムビームが忠実なる友!)、 “壊れる”まで飲むことがある。そのため職務に支障をきたすこともあり、警察内部では、一部の者を除いて、いい目で見られてはいない。

家族

父 オーラヴ・ホーレ
母 イングリ・ホーレ(ハリーが少年のころ病死)
妹 シース

友人

エイステイン・エイケラン
タクシー運転手。ウップサルでの子供時代からの幼馴染。

トレスコー
(アスビョルン・トレスコヴ)

ギャンブラー。ウップサルでの子供時代からの幼馴染。

ストーレ・アウネ
オスロ警察の刑事部付きの心理学者で、ハリーの飲酒問題の個人的なアドバイザーでもある。

ラケル・ファウケ
ハリーの最も愛した女性。ハリーと知り合ったときは公安警察局勤務。シングルマザーで、息子はオレグ。

警察の同僚と上司

ビャルネ・メッレルオスロ警察刑事部長

エッレン・イェルテンオスロ警察刑事

トム・ヴォーレルオスロ警察刑事

ヤック・ハルヴォルセンオスロ警察刑事

ベアーテ・レンオスロ警察刑事から、犯罪鑑識課捜査員

グンナル・ハーゲンオスロ警察刑事部長

ビョルン・ホルムオスロ警察犯罪鑑識課捜査員