コラム
We Love Books
第四回「国立国会図書館」
何回生まれ変わると全部読める?   2006.09.20
〈文・小山田桐子〉
地下8Fから見上げると……
地下8Fから見上げると……
 本好きなら一度は行ってみたい場所、挑戦したいことを紹介してきた「We Love Books」。今回は、ちょっと趣を変え、普段はなかなか足を踏み入れることができない場所に行ってきました。それは国立国会図書館の書庫! 膨大な蔵書を抱える国会図書館が、どのように本を収集・保存し、利用者に本を提供しているのか、そのお仕事ぶりを拝見してまいりました。
 今回も取材に同行してくれたのは、若手編集者のIさん。国会図書館を利用したことがないというIさんに、「館内の喫茶店に、水差しみたいなサイズのガムシロップ入れがあるんです。とにかく大きいんです」と偏った知識を吹き込みつつ図書館に向かう。
 まず、我々を迎えてくれたのは、国会図書館の広報係の松井さん。「ちょっと本を楽しむという点では、ご紹介できることは少ないかもしれませんが」と前置きして国会図書館の説明をしてくれた松井さんだったが、具体的な数字で示された蔵書の数に、改めて衝撃を受け、テンションの上がる我々。なにせ、平成17年度の蔵書数は、図書が8,598,798冊、雑誌や新聞が11,217,918点(約19万種類)! その他にも、地図や博士論文など様々な資料が保存されているのだ。
「国会図書館は、普通の図書館と違って、直接、利用者が棚を見ることができない閉架式の図書館です。利用者のリクエストに応じて、担当者が本を書庫から出し、館内で閲覧していただきます。また、国会図書館は国会に属しており、国会のための調査図書館としての役割を担っています。さらに、収集した資料を、未来の人にも伝えていくというのも、重要な役目となっています」
 そのため、国会図書館には、国や公共機関の出版物は複数冊、民間の出版物は1部が必ず納入されることになっている。これが納本制度だ。つまり、これまで出版された本はほぼ全て保存されており、さらに、毎日毎日刊行された本がどんどん運ばれてきて、どんどんどんどん増えていくのだ。私はそれを聞いて、ディズニーの『魔法使いの弟子』を思い出した。魔法をかけたホウキが水をじゃんじゃん運んできてしまうという内容のアニメーションだ。私の脳内で、ホウキたちはどんどん本を運んでくる。もう本棚がいっぱいだ、と言っているのに、まだ持ってくる。想像するだに、ぎゃーっと叫びたくなるような状況だ。なんと、大変な仕事なのだろう、と早くも図書館の方々への尊敬の念を深めた。
 ここで、実際に、その膨大な本を管理する方々を紹介していただき、そのお仕事ぶりを拝見することに。いよいよ巨大図書館の心臓部へ潜入! まず案内されたのは、雑誌類が保管されている新館と呼ばれる建物。文字通り新しいほうの建物で、なんと地下8階まである。エレベーターの表示で、B3ぐらいまでなら見たことがあったが、B8というのはなんだか奇妙なものだった。

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Back number
第一回
  『エンカウンター』
本と人とが運命的に出会う場所
第二回
  『六本木ライブラリー』
人と人を結ぶ、大人の自由空間
第三回
  『TRICK+TRAP』
すべてのミステリファンの「書斎」
第四回
  『国立国会図書館』
何回生まれ変わると全部読める?
第五回
  『「詩のボクシング」全国大会』
声のパンチ、言葉のパンチ
第六回
  『COW BOOKS』
「BOOK BLESS YOU」
第七回
  『読書グッズ特集』
本が好きだから作りました
第八回
  『魔法のiらんど』
ケータイ小説の魔法
第九回
  『ボイルドエッグズ』
才能の代理人
第十回
  『ショートソング』
小説が漫画になるとき
第十一回
  『池袋コミュニティ・カレッジ』
本読みの達人になるために
最終回
  『LOFT/PLUS ONE』
作家も一日店長に!?