コラム
We Love Books
第五回「『詩のボクシング』全国大会」
声のパンチ、言葉のパンチ   2006.10.18
〈文・小山田桐子〉
衣装でも魅了した松本きりりさん
衣装でも魅了した松本きりりさん
写真提供:日本朗読ボクシング協会
 本好きなら一度は行ってみたい場所、挑戦したいことを紹介する「We Love Books」。さてお次はどこに行きましょうという打ち合わせで、若手編集者Iさんが、熱く提案したのが、「詩のボクシング」の全国大会だった。詩とボクシングという言葉の融合も新鮮で興味深く、次なるレポート先は、「詩のボクシング」全国大会と決定!
 決まったところで、「詩のボクシング」というものについて、公式ホームページを見て、改めて予習することに。
「『詩のボクシング』は、ボクシングリングに見立てたリング上で、2人の朗読ボクサーが交互に自作を身体全身を使って朗読し、どちらの朗読がより観客に届いたかをジャッジが判定する『言葉のスポーツ』、『言葉の格闘技』です。」(公式ホームページより)
 頭の中には、ぼんやりとイメージが浮かぶような、浮かばないような。とにかく大体のルールを理解したところで、百聞は一見に如かずと、会場に行ってまいりました。
 会場は東京・イイノホール。近くでIさんと落ち合ったのだが、行き交う個性的な人みんなが、出場者に見えてそわそわ。会場はまさに盛況で、特に若い人が目に付く。「ギャルが多いですね」とIさんの目もキラリ。でも、本当に詩という従来のイメージとはかけ離れているようなファッションの若者たちが多いことに驚かされる。
 大きなホールの座席は満席。私たちの前は小学生たちの集団だった。「詩のボクシング」は学校教育でも取り入れられているということだから(予習済み)、授業の一環で先生に連れられてきたのだろうか。「この子たち、集中力が保つといいけれど…」と余計なことを思いながら席に着く。
 舞台には四角いボクシングのリングが設置されている。この中で自作の詩を発表されるのだ。第6回を迎える全国大会には地方の大会を制した15人と、外国人枠の選手が1人、合計16人の朗読ボクサーが闘うという。配られたチラシの顔ぶれをまじまじと眺めながら、開始の時を待つ。
 カーンというゴングが響いた。大会の始まりだ。リングアナのパブロ・サンチェス・松本さんが、本物のボクシング以上に熱いアナウンスで、大会の開始を告げ、会場を盛り上げていく。きちんとレフェリーの方も控えていて、この大会の徹底した遊び心が楽しい。

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第一回
  『エンカウンター』
本と人とが運命的に出会う場所
第二回
  『六本木ライブラリー』
人と人を結ぶ、大人の自由空間
第三回
  『TRICK+TRAP』
すべてのミステリファンの「書斎」
第四回
  『国立国会図書館』
何回生まれ変わると全部読める?
第五回
  『「詩のボクシング」全国大会』
声のパンチ、言葉のパンチ
第六回
  『COW BOOKS』
「BOOK BLESS YOU」
第七回
  『読書グッズ特集』
本が好きだから作りました
第八回
  『魔法のiらんど』
ケータイ小説の魔法
第九回
  『ボイルドエッグズ』
才能の代理人
第十回
  『ショートソング』
小説が漫画になるとき
第十一回
  『池袋コミュニティ・カレッジ』
本読みの達人になるために
最終回
  『LOFT/PLUS ONE』
作家も一日店長に!?