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斜陽館 |
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●青森県五所川原市金木町朝日山412-1
TEL 0173-53-2020 |
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青森県の奥津軽。日本最北の私鉄として親しまれている津軽鉄道にガタンゴトンと揺られて、太宰治の生家が記念館となった「斜陽館」へ。地主だった太宰の父・津島源右衛門が建てたお屋敷は、現在の金額で約七億円もかけ、当時の技術の粋が集められた大豪邸。一階十一室、二階八室、付属建物や泉水を配した庭園など合わせて宅地約六百八十坪という、高さ四メートルの塀に囲まれた荘厳な建物自体が斜陽館最大の見どころです。
展示品が定期的に入れ替わるのも、うれしいポイント。訪ねた時は、太宰が結婚式で着た紋付、愛用の灰皿、長さ七メートル(!)の兄宛の手紙などが展示されていました。巡回ガイドの説明を聞きながら、見学することもできます。
当時の面影をそのまま残した家を見学していると、いかに太宰が裕福な家庭に生まれ育ったかが実感でき、人間・太宰の気配を感じられるはず。斜陽館は作者と主人公が重なって見える『人間失格』の世界にハマれる、とっておきの場所です。近くには「旧津島家新座敷」もあり、あわせて見学すれば、さらに太宰の暮らしと作品を深く知ることができます。 |
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美しい寄木細工が施された、家屋の装飾。津島家、お金持ちだったんですね…… |
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とっても広いお屋敷だから、一息入れながらゆっくり見学を。ハチも一休み |
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宮沢賢治記念館 |
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●岩手県花巻市矢沢1-1-36
TEL 0198-31-2319 |
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本好きなら必ず訪れたい「宮沢賢治記念館」があります。東北新幹線・新花巻駅から車で三分。北上川、銀河大橋、奥羽山脈などが見渡せる小高い丘の上にある記念館は、てくてく歩いても二十五分程度で到着するので、お散歩がてら訪れるのも楽しそう。
賢治の人となり、時代との関係性がよく理解できるように、八つのブロックに分かれて様々なものが展示されています。「裕福な商家の長男として、地元で知られていたものの、生前に作家として名を馳せたわけではないので、身近には不思議な、変わった人という印象だったようですよ」と副館長の牛崎敏哉さん。遺されたメモや原稿、愛した石などから、『銀河鉄道の夜』に代表される、賢治の宇宙的な文学世界の奥深さも感じ取れます。「推敲魔」だった賢治の原稿は特に一見の価値ありで、修正が赤字と黒字で何重にも入り、生で見ると圧巻でした。
花巻市内には「宮沢賢治イーハトーブ館」や「宮沢賢治童話村」をはじめ、ゆかりの地がたくさんあるので、あわせて訪れるのもお勧めです。 |
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みみずくや賢治の帽子の形の案内標識。記念館までの道のりも童話の世界 |
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愛用のチェロやレコード。空襲で焼けてしまった遺品が多いため、貴重です |
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岡本太郎記念館 |
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●東京都港区南青山6-1-19
TEL 03-3406-0801 |
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東京メトロ・表参道駅から徒歩約十分。賑やかな街を抜け、静かな通りに面して建つ「岡本太郎記念館」。太郎と、養女で、公私にわたるパートナーだった岡本敏子さんが長年、活動と生活の拠点としていたアトリエです。敏子さんの自伝的小説『奇跡』にも出てくるこの青山のアトリエ設計はル・コルビュジエの愛弟子で友人の坂倉準三。ブロックを積んだ壁の上に凸レンズ型の屋根が印象的な建物です。光あふれるエントランスから館内に入ると、太郎の作品や、生前本人から型をとって「しわ一本一本が本物と同じ位置にある」岡本太郎像。本人が像と並んでお客を驚かしたとの逸話もあります。
作品と四季折々の植物が織りなす変化が楽しめる庭も見どころで、彫刻から緑の葉っぱが飛び出したり、ハチが飛んでいたり(!)することも。作品と自然が共存する庭で太郎の瑞々しい感性と考え方を体感できます。
二〇一一年は太郎生誕百周年。松尾スズキさんが太郎に扮して話題を呼んだNHKドラマ「TAROの塔」の影響もあって、老若男女、幅広い層の見学者が訪れているそう。一部の作品に触れられたり、写真撮影ができたり、訪れた人が思い思いに過ごしています。敏子さんもきっと喜んでいることでしょう。 |
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太郎さんと敏子さん。くつろいだ笑顔で、二人仲良く |
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「芸術は爆発だ!」。等身大の太郎とハチも記念撮影 |
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