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特集 龍馬が来た!
特集 龍馬が来た!
──新人編集吉田、「歴女」を目指して
 近ごろ、巷には「歴女」なる人種が増えているみたいです。どことなく男くさいジャンルであった歴史モノを好み、かつ、歴史上の人物たちに萌えてしまう女性たち。突然ですが、私、文庫編集部の新人・吉田は、ミーハーさが募るあまり今回そんな「歴女」を目指してみることにしました!
 なぜって、2010年のNHKの大河ドラマは「龍馬伝」なんです。龍馬といえば、新撰組やら薩長の志士やら、かっこいい男たちがわんさか活躍する幕末においても抜群の人気を誇るヒーロー。もちろん「歴女」にとっても外しては語れない存在です。そんな龍馬を福山雅治兄が演じるとなれば、ミーハーな私としては如何にしても心の疼きを抑えられません! 2010年の来るべき龍馬ブーム、先駆けて乗っかっていかない手はないでしょう! 
 というわけで、集英社文庫の「龍馬」本を読み漁ってみることにしたのでした。せっかくなら読書の気分を盛り上げてみようと、若き日の龍馬が土佐藩より警護を命じられたという「浜川砲台跡」に行ってきました。最寄り駅前には龍馬像が立っており、東京在住の龍馬ファンを暖かく迎えてくれるおすすめスポットです。龍馬が眺めた当時の海を想いながら、独り寒風に吹かれて読みふけってきた「龍馬」本、ここにご紹介します!

 まずはこちら、津本陽先生の『龍馬』全五巻。この龍馬、勝海舟の右腕としてひじょ〜に良い働きをしています。史実に基づいて書かれているということで、より実像に迫ったものといえるでしょう。等身大の青年・龍馬を知るのにうってつけの作品です。巻数のある「龍馬」本としては、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』と双璧を成しているので、読み比べればものすごい龍馬通になれること間違いなしです。剣豪・龍馬が剣を交える場面は非常にかっこよくて、もー手に汗握ります! 
 一方、こちら清水義範先生の『龍馬の船』の龍馬は、剣も恋もそっちのけ。ただ「船に乗りたい」という夢のためだけに、偉い人たちも巻き込んで、全身全霊、東奔西走! これは完全に「鉄オタ」ならぬ「船オタ」です。少しは日本の未来に思いを馳せてくれ(笑)、と言いたくなるくらい、とにかく船が大好きな龍馬。こんな弟がいたらかわいいだろうなあ…と、読んでいてなんだか乙女姉さんのような気分になってしまいました。
 歴史の光に照らされたのが龍馬とするなら、加野厚志先生著『龍馬暗殺者伝』の主人公は、全くの闇の中にいました。長州藩最強の刺客、神代直人の生涯を軸として、加害者側の視点で龍馬暗殺の謎に迫る異色作。屈折した悪役が主人公になったっていいじゃないですか! 歴史の闇に葬り去られた青年の苛烈な生き様が悲哀にあふれて、ほんと〜に泣けます。
土佐藩士が警護していた「浜川砲台跡」。剣術修行のため江戸に来ていた龍馬は、ここで黒船の祝砲を聞いたそうです。この場所から龍馬の幕末が始まったんですね〜〜
土佐藩士が警護していた「浜川砲台跡」。
剣術修行のため江戸に来ていた龍馬は、ここで黒船の祝砲を聞いたそうです。
この場所から龍馬の幕末が始まったんですね〜〜

「浜川砲台跡」アクセス:京浜急行電鉄 京浜急行電鉄
京急本線 本線立会川駅下車徒歩5分
住所:東京都品川区東大井2丁目


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〈プロフィール〉
吉田(通称 なおっぺ)文庫編集部 ぴっかぴかの新人編集。
入社して数ヶ月、いつのまにか編集部内での呼び名は「こども編集長」。早く「おとな編集長」になりたいなぁ、と願う今日この頃。好きな食べ物はカレーとバナナとメロンパン。小説もマンガも大好き。趣味はざくざく散歩で街に繰り出すこと。素敵な散歩のお供には、素晴らしくナイスチョイスな文庫本!
『龍馬』全5巻
『龍馬』全5巻
津本 陽 著
『龍馬の船』
『龍馬の船』
清水義範 著
『龍馬暗殺者伝』
『龍馬暗殺者伝』
加野厚志 著
『竜馬を斬った男』
『竜馬を斬った男』
早乙女 貢 著

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