図書室
対談
◆対談 宮木あや子×吉川トリコ◆ 『青春と読書』2011年4月号より転載
宮木あや子さんの『雨の塔』(同名単行本の文庫版)、吉川トリコさんの『夢見るころはすぎない』(単行本『「処女同盟」第三号』に加筆した文庫版)の刊行記念対談をお送りします。
吉川さんは第三回、宮木さんは第五回「女による女のためのR-18文学賞」を受賞され、プライベートでは一緒に旅行へ行くほどの間柄。そんなお二人に、お互いの作品について語っていただきました。
構成=山本圭子/撮影=chihiro.
作風は違うけれど ……
宮 木 私がトリコさんのことを知ったのは、以前webで発表されていた小説を偶然読んだのがきっかけでした。「かわいい話を書く方だな」と思って。
吉 川 私のホームページにメールをくれたんですよね。「作家を目指しているんです」と書いてあって、それからしばらくして宮木さんのデビュー作を読んだんですが、すごくよくてびっくりしました。
宮 木 トリコさんの小説って、かわいいけれどかわいいだけの話じゃないんですよね。読み手の気持ちに迫ってくるというか、濃いというか、そこがすごく好きです。
吉 川 宮木さんが書いている世界は、多分女の子のあこがれなんだと思うんです。出てくる人たちがみんなきりっとしていて、美しく生きようとしている。理想が描かれていると思います。
宮 木 でも、トリコさんが書く女の子たちは、言葉遣いは今っぽいけれど、私が書く女の子たちよりよっぽど真面目ですよ。私の小説は文章が真面目ふうだから、きりっと見えるかもしれないけれど。トリコさんはそういう感じの文章じゃなくても、"この女の子たちはちゃんと考えている"ということを表している。私には絶対書けない文章なので、そこはあこがれますね。
吉 川 そう言えば、宮木さんとはすごく仲良くなったのに、いまだに送られてくるメールはすごく真面目ふうの、ですます調の文章(笑)。宮木さんって、本当は堅い人なのかなと思って。
宮 木 ただ単に、やわらかいメールが書けないだけ(笑)。
吉 川 本当に、他人行儀なメールですよ(笑)。私のメールはへにゃへにゃなのに。
宮 木 確かに、ものすごくフランクですね(笑)。


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〈プロフィール〉
宮木あやこ宮木あや子
みやぎ・あやこ●作家。1976年神奈川県生まれ。2006年に「花宵道中」で第5回R-18文学賞大賞・読者賞を受賞。著書に『白蝶花』『セレモニー黒真珠』『野良女』『太陽の庭』『ガラシャ』等。
吉川トリコ吉川トリコ
よしかわ・とりこ●作家。1977年愛知県生まれ。2004年に「ねむりひめ」で第3回R-18文学賞大賞・読者賞を受賞。著書に『しゃぼん』『オリーブ Girls&Boys』『なにもいらない』等。
『雨の塔』
宮木あや子 著
『雨の塔』(集英社文庫)発売中
『夢見るころはすぎない』
吉川トリコ 著
『夢見るころはすぎない』(集英社文庫)発売中

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◆対談 宮木あや子×吉川トリコ◆
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