作品紹介
サンドラ・ブラウン作品マトリクス その腕に抱かれて 謎の女を捜して 見知らぬ人でなく 偽りの愛の果てに 熱き夜の香りに 愛ゆえに哀しくて 封印された愛の闇を あの銀色の夜をふたたび 復讐のとき愛は始まる 虚飾の愛を逃れて 夕暮れに抱擁を 喜びの涙をあなたと 愛はゆるやかに熱く

『ニューヨーク・タイムズ』7週連続ベストテン入り! 殺人犯は美貌の下着デザイナーか? その腕に抱かれて(FRENCH SILK)1998年刊 物語の舞台/ニューオリンズ ヒロインの恋人の職業/ニューオリンズ地方検事補
装丁:その腕に抱かれて
 ニューオリンズの豪華なホテルのベッドで、有名なテレビ伝道師のワイルドが死体で発見された。頭と心臓と睾丸に銃弾が三発。殺したのは美貌の下着デザイナーか? それとも伝道師の若き妻か、彼の息子か? 地方検事補キャシディは、ワイルド伝道師から、ポルノまがいのカタログを作って下着を売っている「卑猥な商人」として糾弾されていたクレア・ローレンツを調べることにした。彼女は「フレンチ・シルク」という下着の通信販売の経営者でもある。キャシディは初対面で彼女の気品ある容姿と神秘的な雰囲気に惹かれてしまう。彼女の共同経営者にはスーパーモデルのヤスミン。彼女は妻子ある下院議員の愛人がいるが、最近、二人の関係はうまくいっていない。そして、伝道師の後妻とその義理の息子は、事件の夜、伝道師と同じホテルの別の一室にいた・・。 美しいニューオリンズの街並みを背景にした、息づまるサスペンスと甘美なロマンスの魅力たっぷりの傑作である。発売してすぐに『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストに登場、連続7週ベスト・テン入りしている。また、サンドラの作品では唯一、アメリカのテレビ局ABCでドラマ化されて評判を呼んだ。 『フレンチ・シルク』(集英社刊)の文庫化である。
装丁:謎の女を探して
タイラー家のきょうだい3人を主人公にした大人気の『テキサス3部作』! 謎の女を探して(TEXAS! LUCKY)1999年刊 物語の舞台/テキサス ヒロインの恋人の職業/石油掘削会社の経営者
 テキサスで石油掘削会社を経営するタイラー家の次男、ラッキー・タイラーは赤褐色の髪の美しい女性と情熱の一夜を過ごした。だが翌朝、相手の女性はモーテルから姿を消していた。帰宅した彼には、保険金めあてで自宅に放火した容疑がかかっていた。昨夜のアリバイを証明できるのはあの女性しかいない・・。(『謎の女を探して』)
「わたしと結婚すればいいのよ」幼なじみのマーシーの言葉に、タイラー家の長男チェイスは自分の耳を疑った。不動産仲介で大成功した彼女は、タイラー家の石油掘削会社に資金援助をするという。彼はまだ愛する人を失った悲しみから立ちなおっていない。周囲の心配をよそに、二人は新婚の夜を迎えた・・。ストーカーの影におびえる妻、愛に傷ついた夫。サンドラのストリーテラーとしての技(わざ)が冴える一品。(『偽りの愛の果てに』)
 楽しみにしていたクリスマス。チェイスとラッキーの妹セイジは、恋人の豪華な邸宅で別れの言葉を告げられる。二人のやりとりを聞いていた見知らぬ若い男は、傷心の彼女に「きみを迎えにきた」と言う。この男、果たして信用できるのだろうか? 前の二作の刊行後すぐに、多くの読者から、妹のセイジの物語はいつ発売されるのかという問い合わせがきた、サンドラの愛読者待望の作品。(『見知らぬ人でなく』)
 やんちゃなまま大きくなったような野性的な次男ラッキー、その弟とともに、冷静に一家の経営難に立ち向かう長男チェイス、家族の愛を一身に受けて育ったセイジ。この仲の良い3人きょうだいを主人公にした「テキサス3部作」が、そろって全米で100万部を突破、大ベストセラーとなっている。サンドラはラッキーとチェイスに理想的な男性像を投影しているようで、愛犬のゴールデン・レトリヴァー2匹に同じ名前をつけている。
多種多様な作品に挑戦する作家「サンドラ・ブラウン」の魅力全開! 熱き夜の香りに(FANTA C) 2002年刊 物語の舞台/シカゴ ヒロインの恋人の職業/建築会社の社長
装丁:熱き夜の香りに
 夫が不慮の事故で亡くなって2年。エリザベスは幼い二人の子を育てながら、ホテルでブティックを経営している。妹のリラにからかわれるのだが、最近よくファンタジーにふけっている。それもイギリスの名門の家の娘が、馬小屋で世話をするアイルランド人の男と愛をかわす場面。海賊に誘拐されて首領のもとに連れてこられ、そのたくましい腕に抱かれるシーン、などなど。そして、そのファンタジーの主人公にそっくりの男が目の前に現れて・・。(『熱き夜の香りに』)
 ロマンス小説の作家としてスタートしたサンドラの私生活を垣間見るような作品で、ロマンス小説のさわりの部分が随所におりこまれ、サンドラが多様な才能をもった作家であることが伝わってくる。
 姉のエリザベスが働くホテルのオーナー、アダムは、各地にホテルを所有する「ホテル王」。彼がイタリアの山で遭難し、背骨を骨折したというニュースが届く。手術後、下半身の麻痺が残るかもしれない。セラピスト(理学療法士)のリラは、彼のハワイの別荘でリハビリを指導することになった。使用人がいるだけの別荘に、男と女が二人きり。サンドラは意図的に登場人物を絞り、密室状態の男女に何が起きるか、読者をやきもきさせたり、興奮させたりしながら、最後までひっぱっていく。二作品ともに全米で100万部突破。サンドラがひとつの枠にはまらない、新しい分野に挑戦していく作家であることを証明した作品。
装丁:封印された愛の闇を(上)
装丁:封印された愛の闇を(下)
母を殺した犯人は誰か? 女性検事補が25年前の真実を追う! 封印された愛の闇を(上、下)(BEST KEPT SECRET)2003年刊 物語の舞台/テキサス州の小さな町 ヒロインの恋人の職業/保安官
 地区検事長の部屋に集まったのは、地方の大物実力者アンガス・ミントンとその息子のジュニア・ミントン、そして保安官のリード・ランバート。検事補アレックスはこの3人のなかに、自分の母親を殺した犯人がいるとにらんでいた。けれども調べが進むうちに、彼女は容疑者のひとりにしだいに惹かれていった・・。
 緻密な構成で、アレックスの母親の悲しい過去があぶりだされていく。そして物語は二転三転、読者はアレックスの目で真犯人を追いながら、一方でしだいに危険な愛の闇にはまり、もう抜け出せなくなる。全米でもちろん100万部突破。インターネット書店アマゾンのサンドラの読者の人気投票で、つねに上位にランクされている人気作品。
初めて愛した男には妻が?! 数年後、再会した二人は・・ あの銀色の夜をふたたび(THE SILKEN WEB)2003年刊 物語の舞台/アーカンソー州オザーク山。サンフランシスコ ヒロインの恋人の職業/ビデオカメラマン
装丁:あの銀色の夜をふたたび
 星の輝く夜、激しく流れる川のそばで愛し合った二人。キャスリーンにとっては初めての経験だった。だが事故にあった彼のもとへ駆けつけてきた女性は、病院の受付で「ミセス・グッドジョンセンです」と名乗った。ひそかに彼から身を隠したキャスリーン。しかも彼女は妊娠していた。数年後、運命の皮肉で再会した二人、キャスリーンはデパートのオーナーと結婚していた・・。
 あまりにも幸せな、初めての愛の場面にうっとりさせられるためか、病院のシーンは衝撃的で、もうページをめくる手が止まらなくなる。けれど、彼女が決然と生きていく姿は拍手したくなるほどいさぎよい。サンドラの働く女性への、あたたかなまなざしが光る作品である。サンドラの作品はほとんど全米で100万部を突破しているが、本書は2003年の日本での発売段階ですでに150万部突破の勢い!
本書は日本メイル・オーダー社より『魅せられて、囚われて』として刊行された。
装丁:復讐のとき愛は始まる(上)
装丁:復讐のとき愛は始まる(下)
全米で堂々170万部突破! サンドラの男の理想像は?! 復讐のとき愛は始まる(上、下)(BREATH OF SCANDAL)2004年刊 物語の舞台/サウス・カロライナ州 ヒロインの恋人の職業/工場建築の統括責任者
 ニューヨークの摩天楼の重役室から、ジェイドははるか下を見おろしながら故郷の南部の町を思った。高校のときのあの事件。そう、巨大複合企業で、故郷の町での新しい事業をまかされたジェイドは、その復讐をはかるつもりだ。故郷に帰ったジェイドは、工場の統括責任者としてディロンを選んだ。彼には複雑な過去があった。そして仕事を始めた二人には、つぎつぎと試練がふりかかってきた・・。
 南部を知り尽くしたサンドラならではの、スケールの大きな作品である。南部の町の開発にともなう利権、それを牛耳る地方の大物。その陰でうごめく陰謀。その地に住み、もくもくと働く人たちの思い。それらを背景に、過去の苦難にめげず、大会社の重役にまで出世したジェイドと、人生に背を向けていた男ディロンを配した、厚みのある小説である。特に、ディロンの描き方がすばらしく、彼が窮地に立たされるたびに、読者は背を押してあげたくなるだろう。女性の描き方に定評のあるサンドラに、また新しい魅力が倍増された。
ニューヨークのスーパーモデルが変装して、「冴えない女」に! 虚飾の愛を逃れて(THE RANA LOOK)2004年刊 物語の舞台/ガルヴェストン島 ヒロインの恋人の職業/プロ・フットボール選手
装丁:虚飾の愛を逃れて
ラナ・ラムゼーはニューヨークのスーパーモデル。けれど、華やかなキャリアと、娘の人生のすべてを支配する母親から逃げ出した。彼女が身を潜めたのは、テキサス州のガルヴェストン島にある下宿屋。色つきレンズの眼鏡と長い髪で顔をおおい、体形を隠してしまうぶかぶかの服で、誰にも正体がわからないようにした。そこへ、下宿の女主人の甥がやってきた。トレントはプロ・フットボールの花形選手。来るべきシーズンに備えて負傷した肩のリハビリ中だ。二人ともみんなに賛美され、言い寄ってくる人々に取り囲まれていた。それぞれに男と女に対する恋愛哲学がある。それはサンドラの恋愛哲学でもあるだろう。二人の相手に対する思いがどのように変化していくか、読者には大いに参考になると思う。
装丁:夕暮れに抱擁を(上)
装丁:夕暮れに抱擁を(下)
西部へ向かう幌馬車隊で何が起きたのか?
過去をもつ男と女の屈折していく愛の苦悩と歓喜を描いた傑作!
夕暮れに抱擁を(上、下)(SUNSET EMBRACE)2005年刊 物語の舞台/テネシー州からテキサス州 ヒロインの恋人の職業/幌馬車隊の男
「わたしの人生で、あなたとリーと過ごしたときほどすばらしい、すてきなことはなかったわ。過去を忘れられたらいいとは思うけれど、変えることはできない。でも、過去のことでわたしを非難しないで」
 雨の荒野で出産したリディアは幌馬車隊に助けられた。赤ん坊は死に、彼女は幌馬車隊の世話役のマーの世話で、乳児を抱えたロスの幌馬車に預けられる。彼の妻は出産後、すぐに亡くなっていた。ロスはリディアの美しさに幻惑されながらも、正体のわからない彼女に冷たい。そして幌馬車隊のなかにも、ひとつの幌馬車のなかで暮らす二人を好奇の目で見る人々もいた。マーのはからいで、二人は結婚したが、ロスはリディアの過去がだんだん気になってくる。冒頭の言葉は、そのロスの疑問へのリディアの答えである。サンドラの作品には、ひたすら前を向いて歩いていく女性への励ましとなる言葉が多く出てくる。本書は集英社文庫ではサンドラの初の西部劇だが、サンドラの永遠のテーマである、複雑なサスペンスの味わいと男と女の愛のドラマがたっぷりと盛り込まれている。魅力的な登場人物のその後を知りたいと、読者から熱望されている作品のひとつである。
結婚式にとどろく銃声が運命を変えた!
『夕暮れに抱擁を』のロスとリディアの娘、バナーの物語!
喜びの涙をあなたと(ANOTHER DAWN)2007年刊 物語の舞台/テキサス	ヒロインの恋人の職業/カウボーイ
装丁:喜びの涙をあなたと
 牧師が結婚式のはじまりを唱えだしたとき、爆発音が静かな教会にとどろいた。バナーの横の新郎のグレーディが傷を負って彼女にもたれかかってきた。つづいて乱入してきたのは、おなかのふくらんだ娘を連れた、この地で評判の悪い密造酒業者。おなかのなかの子どもの父親はグレーディだという。結婚式はすぐに中止。
 その夜、バナーは傷心をもてあましながら、自分の部屋から外をながめていた。今夜はあんなにもあこがれていた初夜になるはずだった。それがひとりの女性に無情な屈辱を受けた。自信を取り戻したい。それも今夜だ。彼女は結婚式に列席するために来ていたジェイク・ラングストンがいる古い納屋に急いだ。なんとしても彼に抱いてもらうのだ。そして、二人の愛と苦悩と興奮の物語が始まった・・。
 バナー・コールマンのひたむきな愛を受け止めるジェイク・ラングストン。 彼女よりはるかに年上の、彼の青い瞳は何を考え、何を思っているのか? 広々とした牧場にぽつんと立つ小さな家。二人の緊張をはらむ一日一日が、愛の高まりと重なり、読者はバナーの身になって考え、またジェイクの受身の愛の苦悩を体験していくしかけになっている。二人に陰をさす酒場の女主人プリシラ、その客の銀行家のダブ、傷が癒え、バナーとよりをもどしたい元の婚約者グレーディが二人の行く手をはばむ。巧みな構成と一筋縄ではいかない登場人物を配して、永遠の大ベストセラーとなっている傑作。
装丁:愛はゆるやかに熱く(上)
装丁:愛はゆるやかに熱く(下)
ロマンス小説の作家からさらに飛躍を期して発表した、
サンドラの48番目の作品!

愛はゆるやかに熱く(上、下)(SLOW HEAT IN HEAVEN)2006年刊 物語の舞台/メキシコ湾からの湿気を帯びた風が吹く地域。架空の町「ヘブン」。	ヒロインの恋人の職業/森林労働者
 アメリカ南部に生まれ、南部で育ったサンドラ・ブラウン。これは彼女が、メキシコ湾からの湿気を帯びた風がむっとする暑さと湿気をもたらす、南部独特の風土を舞台に描いた壮大なロマンティック・サスペンスである。美しい土地という意味をもつ屋敷<ベル・テール>に住むクランドール家の当主は、森林伐採会社を経営するコットン。屋敷にはコットンの病気を知り、ロンドンから帰国したばかりの養女スカイラー、同じく養女のトリシア・ハウエルと一族の会社で働くケン・ハウエルが住む。実は六年前、スカイラーには、ケンと交際していて、今にも婚約を発表しようというときに、トリシアの「ケンの子どもを身ごもった」という言葉に打ちのめされ、ベル・テールを去ったいきさつがある。 久しぶりに帰った屋敷での毎日は、そのために居心地が悪い。やさしかった家政婦は亡くなり、その家政婦の娘は不幸な生活を送っているらしい。ケンが意味ありげにすりよってくるのもいやだ。そして、いっそう彼女の心を動揺させるのは、広大なベル・テールの森の奥に住むキャッシュ・ボードローの存在だ。彼の亡き母モニークは、コットンが愛した酒場の女で、コットンは結婚してから、モニークとキャッシュを呼びよせ、森の奥の家に住まわせていた。野性的な魅力にあふれた彼は、この土地で有名な遊び人で、絶えず女の噂がつきまとっている。偶然、彼に再会したスカイラーは、それ以来、彼のことが気になってしかたがない。ある日、二人は森の奥の家で・・。 キャッシュといっしょにスカイラーが歩く森には、巨大なライブ・オークとそれにからまって生育するスパニッシュ・モス、いつも水面がよどんでいるバイユーと呼ばれる入り江がある。サンドラはこの地で愛し、憎しみ、涙し、歓喜する人々を、慣れ親しんだ自然のなかに登場させ、複雑な人間模様を描いて、ロマンス小説の作家から、一般の読者を対象とする作家へとあざやかに転身した。その意味で、これは彼女の記念碑的な作品といえる。