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私たちの社会は情報を基盤としたものになっており、ウェブサイトやメールやLINEなどは日常生活に不可欠になりつつあります。こうしたネットワークを監視することで治安を守ろうとする国家もありますが、その一方でプライバシー保護などの問題も起きています。
アメリカの諜報機関(国家安全保障局=NSA、アメリカ中央情報局=CIA)に勤務していたエドワード・スノーデンはアメリカ政府の監視活動に関する莫大なデータを持ちだし、暴露しました。今回は世界を監視するアメリカ国家安全保障局(NSA)の秘密兵器に関するクイズです。


XKEYSCOREの存在は長らく秘密になっていたが、エドワード・スノーデンによる告発で明らかになった。エドワード・スノーデンはアメリカの国家安全保障局(NSA)、アメリカ中央情報局(CIA)、DELL、ブーズ・アレン・ハミルトンに勤務したことがあり、日本の横田基地にもいたことがある。
2013年6月6日、エドワード・スノーデンはNSAのハワイの拠点のシステムから莫大な量の通信傍受などに関するデータを持ちだし、香港に渡った。そしてガーディアン、ワシントンポスト、サウス・チャイナ・モーニング・ポストといったメディアの取材を受けて暴露し、それが世界中に配信された。
2008年の資料ではアメリカ、メキシコ、ブラジル、イギリス、スペイン、ロシア、日本など150箇所にXKEYSCOREの監視施設があり、700以上のサーバーがあることになっている。
XKEYSCOREは通信の「全てのデータ」を収集しており、そこにはメールやウェブ閲覧だけでなく、音声通話、PCカメラの画像、SNS、キーログ(キーボード操作の記録)、パスワードなどが含まれている。保管期間は3日から5日間で、メタデータは30日から45日間となっている。重要なものはもっと長く保管される。検索する際、メールアドレスやIPアドレスなどさまざまな項目をキイにし、検索結果からメール本文、SNSのチャットなどの内容を確認できる。
傍受方法は通信ケーブルからの傍受、システム管理者を狙ったハッキングや、世界最大のSIMカードプロバイダーGemaltoをハッキングして暗号鍵を盗むなど多岐にわたる。
XKEYSCOREは日本でも利用されている。その詳細はクイズ第4問でご紹介する。

Snowden(2019年9月13日、ガーディアン)
https://www.theguardian.com/us-news/ng-interactive/2019/sep/13/edward-snowden-interview-whistleblowing-russia-ai-permanent-record
スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」(2016年8月22日、現代ビジネス)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/49507
XKeyscore: NSA tool collects 'nearly everything a user does on the internet'(2013年7月31日、ガーディアン)
https://www.theguardian.com/world/2013/jul/31/nsa-top-secret-program-online-data
XKEYSCORE: NSA's Google for the World's Private Communications(2015年7月1日、The Intercept)
https://theintercept.com/2015/07/01/nsas-google-worlds-private-communications/
A LOOK AT THE INNER WORKINGS OF NSA’S XKEYSCORE(2015年7月2日、The Intercept)
https://theintercept.com/2015/07/02/look-under-hood-xkeyscore/
米NSA、日本にメール監視システム提供か 米報道(2017年4月24日、朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASK4S6QZGK4SUHBI035.html
米国が提供したとされる電子メール監視システムに関する質問主意書(2017年4月25日、衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a193263.htm
THE UNTOLD STORY OF JAPAN’S SECRET SPY AGENCY(2018年5月19日、The Intercept)
https://theintercept.com/2018/05/19/japan-dfs-surveillance-agency/

プロフィール

一田和樹(いちだ かずき) 東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。
10年、「檻の中の少女」 で島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。
著書に『女子高生ハッカー鈴木沙穂梨と0.02ミリの冒険』『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』『キリストゲーム』『絶望トレジャー』など。
http://www.ichida-kazuki.com/ Twitter:@K_Ichida

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