サイバーセキュリティにくわしい小説家・一田和樹が出題する、ネット時代の新常識クイズ第9問!
スマホで手軽にインターネットを利用している人は多くなりました。さて今回はスマホ経由でのネット利用についての問題です。
世界的なクリエイティブ・エージェンシー「we are social」がとりまとめたレポート『DIGITAL2020』によれば、世界全体のインターネット利用者の91%がスマホ経由でインターネットを利用している。スマホ以外のモバイル機器も含めると92%になる。この中にはパソコンとスマホの両方あるいはタブレットを使っている人も含まれている。パソコンでネットを利用している人はスマホでもネットを利用していることが多いが、スマホでネットを利用しているからといってパソコンも使っているとは限らない。同レポートには利用時間についてのデータも掲載されている。
1日当たりのモバイルインターネット利用時間を見ると、世界平均は3時間22分で日本はもっとも少なく1時間32分となっている。世界トップ5は下記の通りである。なお、日本の2018年に公開された総務省の調査結果では1時間5分となっており、もっと少ない。『DIGITAL2020』と総務省の調査の差は、調査方法や調査対象が異なっていることが原因と考えられる。たとえば『DIGITAL2020』の調査は16歳から64歳までを対象としているが、総務省の調査では13歳から69歳までとなっており、じゃっかん調査対象が広い。
- 1位 フィリピン 5時間11分
- 2位 タイ 4時間57分
- 3位 ナイジェリア 4時間50分
- 4位 コロンビア 4時間49分
- 5位 インドネシア 4時間46分
モバイル、特にスマホ経由でインターネットを利用する人の比率は世界的に増加しており、日本でもその傾向が顕著に出ている。また、総務省の調査では休日のモバイル経由でのネット利用時間が顕著に多く、特に10代、20代において突出している。
モバイルの利用増加にはさまざまな理由が考えられる。手軽かつ常に持ち歩いていることや、待ち合わせや行き先の確認など移動中の利用に便利なこともその理由だろう。また、発展途上国などではモバイル機器のほうがパソコンなどよりも安価に購入、利用できることも大きな要因と考えられる。
インターネットの普及が遅れている国に無償でインターネットを提供するサービスをフェイスブックが行っており、そうした国では主に安価なモバイル機器でインターネット接続を行うようになっている。フェイスブックのこのサービスによってインターネット利用が飛躍的に伸びた国は多く、世界全体のモバイル利用率を押し上げる要因のひとつとなっている。
参考
DIGITAL2020(2020年1月30日、we are social)
https://wearesocial.com/blog/2020/01/digital-2020-3-8-billion-people-use-social-media
「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(2018年、総務省情報通信政策研究所)
- プロフィール
-
一田和樹(いちだ かずき) 東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。
10年、「檻の中の少女」 で島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。
著書に『女子高生ハッカー鈴木沙穂梨と0.02ミリの冒険』『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』『キリストゲーム』『絶望トレジャー』など。
http://www.ichida-kazuki.com/ Twitter:@K_Ichida
-
- 「民主主義を測定する指標とは?」
- 「透明性レポートとは?」
- 「最近注目されているファイブ・アイズとは?」
- 「ネットで時々話題になる「闇のグーグル」、SHODANとは?」
- 「2021年1月1日に日本でニュースに取り上げられた中国製のコロナワクチンの話題とは?」
- 「「自由で開かれたインド太平洋構想」の中核メンバーであるインドの現在の状況は?」
- 「民主主義国グループD10のメンバー国は?」
- 「イギリスが提唱している民主主義国のグループの名称は?」
- 「アメリカ大統領選でSNSを本格的に利用した最初の政治家は?」
- 「アメリカで最初に選挙でボットが使われたのはいつ?」
- 「アメリカ大統領選でトランプが配布したアプリの機能とは?」
- 「二重恐喝型ランサムウエアとは?」
- 「監視資本主義という言葉を最初に使った人は?」
- 「監視資本主義とは?」
- 「ネットで拡散しやすい発言とは?」
- 「エコーチェンバー現象とは?」
- 「AmazonやIBMが顔認証システムの提供をやめた理由は?」
- 「インドで使われている生体認証システムを提供している日本のメーカーは?」
- 「イスラエルのネット世論操作企業の名称は?」
- 「ネットでニュースを見る人は信用している?」
- 「ロシアのネット世論操作手法」
- 「ロシアのネット世論操作部隊の名称は?」
- 「中国の五毛党の名前の由来」
- 「中国を目の敵(かたき)にするフェイスブック副社長」
- 「中国と一帯一路参加国の人口は世界の人口の何%」
- 「世界で一番たくさんの留学生を海外に送り出している国は?」
- 「中国のデジタル・シルクロード」
- 「測位衛星を世界でもっとも多く保有している国」
- 「フェイスブックの提供する無償インターネットサービス」
- 「フェイスブックの北米とヨーロッパの利用者」
- 「日本のインターネット利用時間は世界の第何位?」
- 「スマホでインターネットを利用している人は何パーセント?」
- 「『いいね』がもっとも多いフェイスブックのページ」
- 「SNS世界トップ10に入っていないのはどれ?」
- 「世界でもっとも殺人的なマルウェア」(MIT Technology Review)
- 「世界最強の諜報機関と呼ばれるイスラエルの部隊」
- 「世界を監視するアメリカ国家安全保障局(NSA)の協力費用」
- 「世界を監視するアメリカ国家安全保障局(NSA)の秘密兵器」
- 「民主主義は世界の主流なの?」
- 「日本で始まる感染症抑止のための追跡方法」