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サイバーセキュリティにくわしい小説家・一田和樹が出題する、ネット時代の新常識クイズ第13問!
私たちがスマホやカーナビなどで利用しているGPSは測位衛星からの電波を受信して位置情報を取得しています。測位衛星についての問題です。


我々の日常生活にGNSS(衛星測位システム)は深く入り込んでおり、スマホ、カーナビ、ドローン、船舶、航空機、ミサイルなどさまざまな製品に組み込まれている。GNSSのひとつGPSはアメリカの測位衛星を使ったシステムである。ちなみにGPSという名称はアメリカのシステムの固有名詞である。GPSは日本でもよく使われている。他にロシアのGLONASSやEUのGalileo、中国の北斗衛星導航系統(BeiDou、BeiDou2、北斗衛星測位システム)が有名だ。

中国は急速に測位衛星の数を増やしており、2018年の時点でアメリカ(衛星31機)を追い抜いて35機を保有するにいたった。北斗衛星導航系統は今後中国製のスマホや自動車などの製品に組み込まれてゆくことが予想される。
アメリカのGPSは受信側との双方向の通信は不可能だが、北斗衛星導航系統はデータ量が少ないものの双方向通信が可能となっている。たとえばカーナビと測位衛星との間で双方向通信を行える。しかし、それがどのような用途に使われるのかは不明である。

測位衛星を急速に増やしたのは中国が推進するデジタル化=デジタル・シルクロードの一環であり、中国は網羅的にデジタルおよびネットワーク分野で世界に影響力を広げようとしている。その範囲は測位衛星だけでなく、次世代モバイル通信5G、AI、量子コンピュータなどの技術から海底ケーブルの敷設や通信に関する国際標準への影響行使など多岐にわたる。デジタル・シルクロードは中国の推進する経済圏構想=一帯一路の一部でもあり、国家戦略の一端を担っている。

中国は急速にネットワーク分野を広げており、それにはめざましいものがある。今後、このクイズでも取り上げてゆきたい。

プロフィール

一田和樹(いちだ かずき) 東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。
10年、「檻の中の少女」 で島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。
著書に『女子高生ハッカー鈴木沙穂梨と0.02ミリの冒険』『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』『キリストゲーム』『絶望トレジャー』など。
http://www.ichida-kazuki.com/ Twitter:@K_Ichida

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