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サイバーセキュリティにくわしい小説家・一田和樹が出題する、ネット時代の新常識クイズ第42問!
今回は、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)についてのクイズです。


内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は2014年に成立したサイバーセキュリティ基本法に基づき、2015年に発足した組織で、我が国のサイバーセキュリティの中枢となる機関である。計画、連絡など調整組織の役割を担っており、国際的な窓口にもなっている。メンバーは関連省庁や民間企業からの出向者が中心で一定期間で交代する。

2020年12月に公開されたNATO Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence(NATO CCDCOE)の「Cyber Threats and NATO 2030: Horizon Scanning and Analysis」の「第10章 Considerations for NATO in Reconciling Barriers to Shared Cyber Threat Intelligence: A study of Japan, the UK and the US」は、日本、イギリス、アメリカのサイバー脅威インテリジェンス(CTI)共有の課題についての章となっている。特に日本に焦点をあてた大変厳しい内容となっており、2年かけて日本国内外の80人の関係者や専門家に取材をしている。
結論として日本政府主導のもとでサイバーインテリジェンスの抜本的な見直しが必要と指摘されている。サイバーインシデントにおける調整機関=内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)については、予算が限られており、法的権限も他の機関や省庁と同等ではなく、人員は定期的に入れ替わるため有効に機能しにくくなっており、実施にあたっては各省庁が担当するので機能は限定されているという厳しい内容になっていた。

ただし、それらの内容は日本国内においてもすでに指摘されてきた問題である。にもかかわらず、それがいまだに改善されておらず、海外とのサイバーセキュリティ情報の共有や連携に支障をきたすまでの問題になっているのは深刻である。

内閣サイバーセキュリティセンター
https://www.nisc.go.jp/index.html
JPCERT/CC、内閣官房内閣サイバーセキュリティセンターと国際連携活動 及び情報共有等に関するパートナーシップを締結
https://www.jpcert.or.jp/pr/2015/pr150001.html
Cyber Threats and NATO 2030: Horizon Scanning and Analysis(NATO Cooperative Cyber Defence Centre of Excellence、2020年12月)
https://ccdcoe.org/library/publications/cyber-threats-and-nato-2030-horizon-scanning-and-analysis/



プロフィール

一田和樹(いちだ かずき) 東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。
10年、「檻の中の少女」 で島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。
著書に『女子高生ハッカー鈴木沙穂梨と0.02ミリの冒険』『天才ハッカー安部響子と五分間の相棒』『キリストゲーム』『絶望トレジャー』など。
http://www.ichida-kazuki.com/ Twitter:@K_Ichida

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