よみもの・連載

佐藤満春トイレの輪〜トイレの話、聞かせてください〜

第2回 ノンフィクション作家・高野秀行氏

佐藤満春Mitsuharu Sato

高野
扉があるなんて当然だし、とても清潔だし、洗面所だって自動で水が出てくる。何かこの人たちの精神、価値観どうなったんだろうってね。
佐藤
振り幅がすご過ぎて。たかだか十年、二十年の中で起きてることですもんね。
高野
でも中国人は、というか人間は適応しちゃうんですよね。
佐藤
そっか、だから、環境的に汚いなら汚いでそれに適応するし、きれいになったらなったでという。
高野
すっごい適応力が高いんですよ。
佐藤
高野さんは人生の中でもいろんな振り幅のトイレを使われてきてるわけじゃないですか。水洗トイレはよくないというか、何であんなものつくったんだっておっしゃってましたけど、高野さんが考える一番理想的なトイレってどんなものですか? さっきおっしゃってた少量の水で流せるのとか。
高野
そうですね。少量の水で流せて、しゃがんでやるのはきついと思う人は多いでしょうから、やっぱり座れたほうがいいけれども、今みたいにゴージャスなものは要らないんじゃないかと。
佐藤
除菌したりとか何か。
高野
あとやっぱり水を使い過ぎますよね。
佐藤
水ね。そうですよね。
高野
日本は水が豊富で、上水道が整っているといっても、災害とかが起きて水が止まったらどうするのかって僕はいつも思うんですよ。毎回、あんな何リットルも水を使ったら、止まった瞬間にアウトじゃないですか。
佐藤
そうですね。
高野
いくら溜(た)めといたってきりがないですよね。それが一リットルぐらいの水で流せたら、かなりもつ。だからそういう災害時とかのことを考えても、もうちょっと水は節約できるといいんじゃないかなと思いますね。
佐藤
なるほど。
プロフィール

佐藤満春(さとう・みつはる) 1978年生まれ。テレビ番組等の構成作家、お笑いコンビ「どきどきキャンプ」として活動中。トイレ博士としてイベントに出演したり、トイレを研究するラジオ番組のパーソナリティーなども務める。日本トイレ協会会員。掃除能力検定士(5級)。名誉トイレ診断士。トイレクリーンマイスター。

高野秀行(たかの・ひでゆき) 1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。
早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。

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