よみもの・連載

佐藤満春トイレの輪〜トイレの話、聞かせてください〜

第3回 小説家・朝井リョウ氏

佐藤満春Mitsuharu Sato

ウォシュレットの感動秘話とは?

佐藤
あと、朝井さん、痔だったそうですね。
朝井
そうです。
佐藤
手術もされたとか。
朝井
はい。病院に行ったときに、いきむ回数が多いことも原因だと言われました。
佐藤
そういうことか、なるほど。
朝井
私、痔ろうというものを患ったのですが、そもそも若い男性に患者が多いらしいんです。いきむ力が強い人に多い。しかも私の場合はその回数も多かったからじゃないかと言われました。
佐藤
ウォシュレットが発売されたのが1980年で、そのプロジェクトチームは五人しかいなかったんですが、その中の重松さんという方は、お父さんが痔だったんです。お父さんに清潔なお尻の環境をつくってあげたいということでウォシュレットをつくろうと考えた。だから、ウォシュレットが今できている大きな理由に、痔は関係があるんです。
朝井
そんなエピソードがあるんですね! 朝ドラ行きだ。まだ取り上げていないですよね、ウォシュレット。
佐藤
『プロジェクトX』で、その辺もちょっとだけ描かれているんですけれども……。
朝井
なるほど。これはあり得ますね。原作やらなきゃ、絶対。
佐藤
めちゃくちゃいいじゃないですか! まず、お湯がお尻のどこに当たるかとか、角度とかがわからないんですよね。データがないので。だから、社員三百人でデータをとるんです。女性社員に嫌がられながら。家でも、奥さんに土下座してやってもらって、みたいな。
朝井
めっちゃ朝ドラじゃないですか!
佐藤
朝井さんに書いてもらわないと(笑)。
朝井
めちゃくちゃお世話になっていますし、思い入れというか、熱量がないと、そもそも書こうと思わないですから。開発は本当に大変だったと思うんですよ。やっぱりトイレ関係ってもともとの印象がよくないわけじゃないですか。汚いとか……。
佐藤
基本的にそうですね、どうしても。
朝井
それを変えたいなと思っているところもあるので。
佐藤
大分変わってきてはいるんでしょうけれども、ネガな印象はまだまだありますよね。
朝井
子ども時代なんかはとても悩ましいじゃないですか。トイレに行くだけであだ名をつけられたりして。
佐藤
これは変えないといけない。
朝井
それは最近すごくよく思うところなんですよね。
プロフィール

佐藤満春(さとう・みつはる) 1978年生まれ。テレビ番組等の構成作家、お笑いコンビ「どきどきキャンプ」として活動中。トイレ博士としてイベントに出演したり、トイレを研究するラジオ番組のパーソナリティーなども務める。日本トイレ協会会員。掃除能力検定士(5級)。名誉トイレ診断士。トイレクリーンマイスター。

朝井リョウ(あさい・りょう) 1989年、岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞受賞。14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞受賞。 最新刊は『どうしても生きてる』(幻冬舎)。

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