よみもの・連載

佐藤満春トイレの輪〜トイレの話、聞かせてください〜

第3回 小説家・朝井リョウ氏

佐藤満春Mitsuharu Sato

トイレ掃除と子どものトイレ事情

佐藤
学校のトイレも、昔よりきれいになっています。昔は床がタイル張りで、水をビシャーと流してブラシでこすっていたんですが、そのやり方が実は掃除の方法としてあまり正しくないとわかったので、今はもうタイルはなくなったんですよね。
朝井
確かにタイルって汚く見えますよね。
佐藤
そうですね。じめじめしてカビが生えたりするので。朝井さんは、トイレ掃除についてこだわりがあったりしますか?
朝井
家のトイレの掃除は、人並み程度だとは思いますけれども、スタンプみたいなのが出てきたときは感動しました。私が子どものときはなかったような気がするんですけれども。
佐藤
スタンプ型のクリーナー、あれはここ十年ぐらいです。
朝井
ですよね。あれ、すばらしい発明ですね。めちゃめちゃ使っています。
佐藤
きれいであることというのはね、絶対に……。
朝井
ほんとうに大事。そういえば、前もって行動するとか、自分時計で行動するということが、あまりにも癖になり過ぎてしまっているんですが、佐藤さんはお子さんがいらっしゃるじゃないですか。
佐藤
はい、います。
朝井
特に小さいときとか、子どもに一番に注目していないといけないときの遠出とかは、一体どうしているのかなと気になります。
佐藤
僕が助かっているのは、子どもって、親がすぐにトイレへ行かせるんですよ。「今ここでトイレしておきなさい」というタイミングが沢山あるんですよね。
朝井
今のうちに行っておきなさい、みたいな。
佐藤
はい。だから、自分もついでにトイレに行けてラッキー、という。
朝井
なるほど。
佐藤
奥さんと子どもと移動しているときに、自分がトイレへ行きたいけれども、俺のわがままでコンビニに寄るのは申しわけないな……というときに、ちょっと子どもにトイレさせておこうか、と提案する(笑)。
朝井
むしろ回数が増える。
佐藤
今はもうおむつは外れていますけれども、おむつを替えておこうとか。
朝井
なるほど、なるほど。
佐藤
子どもって、そうなんですよ。なるべくトイレへ行かせておいたほうがいい。途中で突然、おしっこしたいと言い出したりするので……。
朝井
そういうことか。町で保育士さんとかが子ども二十人とか連れて散歩しているのを見ると、震えるんですよね。今、保育士さんがトイレ行きたくなったらどうするのって思ってしまって。
佐藤
二人で二十人とか、あれだけの人数をカートみたいなのに乗せているときに。
朝井
信じられない。私、急にトイレに行きたくなって走り出したりするんですよ、町なかで。でも子どもを連れていると、それができないじゃないですか。
佐藤
思い立ってというのがね。
朝井
そうです。だから、世の中の親って、ほんとうにすごいと思うんですよ。引率とか絶対にできないです。みんなを置いてトイレに走る瞬間が絶対にあります。
佐藤
行きたいタイミングで行ける環境かどうかって大事ですよね。
プロフィール

佐藤満春(さとう・みつはる) 1978年生まれ。テレビ番組等の構成作家、お笑いコンビ「どきどきキャンプ」として活動中。トイレ博士としてイベントに出演したり、トイレを研究するラジオ番組のパーソナリティーなども務める。日本トイレ協会会員。掃除能力検定士(5級)。名誉トイレ診断士。トイレクリーンマイスター。

朝井リョウ(あさい・りょう) 1989年、岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞受賞。14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞受賞。 最新刊は『どうしても生きてる』(幻冬舎)。

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