よみもの・連載

佐藤満春トイレの輪〜トイレの話、聞かせてください〜

サトミツコラム「トイレで安心したい僕たち」

そもそもトイレを好きになった大きな理由の1つに「おなかが弱いこと」が大きく関係しています。
よく行く場所のことをもっと知りたい! そんな思いからトイレのことを学びはじめました。
今回の朝井さんとの対談で思い知らされたのは、

「この思いをもっと言語化して伝えていくべきだ」

ということ。
今回、朝井さんといういわば「同志」が目の前にいたことで恥も外聞もなく自分の「漏らしてしまった話」を存分に楽しく話すことができました。
しかし、世の中には一回のそういった出来事のトラウマで外出を素直に楽しめなくなる方がまだまだいるのではないか?と思ったわけです。
そんな方に寄り添うのもこの対談の意義なのかもしれません。

大も小もいつも僕らは隣り合わせ、いつ行きたくなるかわかりませんよね。
過活動膀胱という病気があります。
あるデータによると現在40歳以上の男女の8人に1人、推定800万人が、その症状を持つといわれているものです。
それまで何ともなかったのに急におしっこに行きたくなるという症状です。
朝井さんとの対談にも何度も出てきましたがトイレ・排泄は人間の神経と大きく関わりがあるので、その人の経験値や精神状態や環境などに大きく影響を受けます。

ですので、我々ができることはまず「自分の症状をよく知ること」
いつ行きたくなるかわからない、わからないなりに「自分のパターン」はあるはずなので
「自分の傾向」をうまく知ることができれば対処法も見つかると思います。
そしてあとは「トイレ環境の良いところで生活をする」。
生活の優先順位に「トイレ環境の良いところ」をあげていくことで、我々は安心感を手にいれることができます。2020年に向け、更にその可能性は高まることでしょう。
そして最後に!! 「同志がいることを忘れないこと」。

私もそうです、朝井さんもそうです。あなただけではないんです。
おなかが弱い、トイレにすぐ行きたくなる皆さん。
大丈夫です、決してあなただけの悩みではありません。
過去に大変な思いをして外に出にくいあなたも電車や乗り物で困っているあなたも
そんな自分を恥じないでください。
場合によってはしっかり病院で診察を受けるのもいいでしょう。
そしてそんな時、今回の対談を是非読みかえしてみてください。

「自分だけではない」この安心感が何かを解放してくれるような、僕はそんな気がしています。

プロフィール

佐藤満春(さとう・みつはる) 1978年生まれ。テレビ番組等の構成作家、お笑いコンビ「どきどきキャンプ」として活動中。トイレ博士としてイベントに出演したり、トイレを研究するラジオ番組のパーソナリティーなども務める。日本トイレ協会会員。掃除能力検定士(5級)。名誉トイレ診断士。トイレクリーンマイスター。

朝井リョウ(あさい・りょう) 1989年、岐阜県生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。13年『何者』で第148回直木賞受賞。14年『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞受賞。 最新刊は『どうしても生きてる』(幻冬舎)。

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