連載
夫婦で行く 東南アジアの国々
「夫婦で行く 東南アジアの国々」 清水義範 Yoshinori Shimizu
第三章 ラオス(上)

 東南アジア巡り三か国目はラオスである。ラオスは共産主義国だときいているが、それ以外の知識はひとつも持っていなかった。
 自分の目で知っていくしかない。
 二〇一四年の二月の旅だった。成田から出発してベトナムのホーチミンで乗り換え、ビエンチャンに着くと午後七時二十分だ。空港でラオスの通貨キープに両替えをした。一ドルが八千キープだった。バスに乗り、午後八時頃にホテルに到着した。
 空港から市内への道の周辺には、ゴルフ場、ビール工場、タバコ工場などがあった。現地ガイドのティーさんがつたない日本語で情報を教えてくれる。ゴルフ場は主に韓国人が経営している。ベトナム人が経営しているところもある。プレー代が高いのでラオス人はゴルフをしないのだそうだ。
 ラオスのビールは昔はまずかった。フランスやドイツの会社ができてから、おいしくなったのだそうだ。代表的なビールは、ビア・ラオで、タイ旅行の時にラオス側に来て買ったものもビア・ラオだった。レギュラー、ブラック、ゴールドの三種類があるのだとか。ヨーロッパのコンテストで優勝したこともあるそうで、確かにおいしいビールだ。ビア・ラオは一日四万五千ケース作っている。五パーセントは輸出もしている。
 若い人はビールを飲み、年配の人はアルコール度四十五度の地酒を飲むのだそうだ。
 さて、観光は二日目から始まる。ホテルで朝食をとったあと、ビエンチャンの市内観光だ。ツアーのバスは韓国製の中古が多いが、ハングルがそのまま書いてあるようなことはなく塗装しなおしてあった。
 現地ガイドのティーさんがいろいろな話をしてくれたが、どこの国へ行っても現地ガイドの話というのは大ざっぱだ。そして、ジョークのつもりでムリなオチをつけたりすることが多い。
 その話をまとめてみると、ラオスは日本の本州ほどの国土面積の国だ。人口の約半分を占めるのが低地ラオ族、残りは四十八の少数民族からなる。
 宗教については、低地ラオ族は主に上座部仏教を信仰し、他の少数民族は霊魂や精霊信仰で寺を持たない。
 ビエンチャンの人口は約七十万人。十二〜三年前からビエンチャンでは道路が舗装され、高いビルが建つようになり街は大きくなった。
 でも郊外に行くと未舗装の赤土の道が多く、バイクに乗ると髪や眉が赤くなる。それをラオス人はフランス人になったと冗談を言う(現地ガイドのジョークだ)。
 交通事情はバスとソンテウという乗合タクシーと、トゥクトゥクという三輪タクシーが主体である。車は韓国のヒュンダイが多い。バイクは中国製だが六か月で壊れる。みんなビールを飲んで運転したり、信号を守らなかったりマナーが悪い。
 女性は髪を伸ばす。短くすると先生に怒られる。シンという巻きスカートをはく。シンは学生の制服にもなっている。シンにも模様や丈の流行があるそうだ。ミニスカートが流行った時はかなり短いのをはいたそうだ。
 メコン川の水量を生かした水力発電をしていて、電力は豊富でタイなどへ輸出をしている。



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〈プロフィール〉
清水義範(しみず・よしのり)
1947年10月28日名古屋市生まれ。愛知教育大学卒業。81年『昭和御前試合』でデビュー。88年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。奇抜な発想とユーモアを駆使した小説やエッセイを次々と発表。著書多数。
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第三章 ラオス(下)
第三章 ラオス(上)
第二章 タイ(下)
第二章 タイ(上)
第一章 ミャンマー(下)
第一章 ミャンマー(上)