連載
夫婦で行く 東南アジアの国々
「夫婦で行く 東南アジアの国々」 清水義範 Yoshinori Shimizu
第四章 ベトナム(上)

 二〇一五年三月一日から一週間の、東南アジア巡り第四国目、ベトナムの旅が始まった。
 第一日目、成田からベトナム航空の飛行機で十時十五分出発、ハノイに十四時十分に着いた(時差がマイナス二時間あるので搭乗時間は六時間ほどだ)。ハノイ・ノイバイ国際空港だ。
 現地ガイドのハイさんという男性に迎えられ、バスに乗って市内へ向かう。空港から市内への高速道路と橋は二か月前に完成したばかりで、日本のODAで作られたのだそうだ。空港から市内まで以前は六十分かかっていたのが三十分で到着できるようになった。
 十日前に旧正月が終ったところだという。ベトナム戦争を知っている私たちの世代は、テトというやつだな、と思うわけだ。これから田植えのシーズンで、田んぼでは田植えの風景があちこちで見られた。北部では年に二回米が作られるのだ。南部では三回だそうだが。土の良いところでは米を作り、土の悪いところでは野菜やトウモロコシを作るのだそうだ。
 木をバイクに積んで運んでいる人をかなり見た。旧正月には梅と金柑(きんかん)の木を飾る習慣があり、使い終った木を運んでいるのだそうだ。金柑は実がたくさんなるので子沢山、梅はお金を象徴しているのだときいた。
 正月休みは十日ほどあり、この三月一日の時点ではまだ皆働いていない。
 ベトナムの人口は約九千三百万人で、ハノイは約七百九十万人だが、ハノイだけでバイクが四百万台以上あるというバイク社会だ。バイクの免許は二か月ほどの練習でとれるが、五〇ccのバイクは免許がいらない。ヘルメットは着用が義務化された。信号が少ないので道を渡る人はかなり注意しないといけない。
 ベトナム人の八〇パーセントが仏教徒で、毎月旧暦の一日と十五日にはお花を持ってお寺に行く。また、日曜日にもお寺は混雑する。
 ベトナムの仏教は大乗仏教で、他の東南アジアの国と異なる。中国の仏教の影響が強いのだそうだ。
 お寺の中心は仏陀で、寺院の中は金ピカであることが多い。
 間口の狭い家がひしめくように並んでいる。家の幅で税金がかかるので狭くしているのだ。
 街が近づいてきているので高層マンションもぽつぽつと目立つようになってきた。フランス植民地時代のコロニアルスタイルの黄色い建物も多い。ハノイタワーズという高級マンションもある。
 道沿いに屋台がたくさんあるが、使っている油が汚いし、水道水も衛生的ではないので観光客には勧めない、と言われた。
 果物はバナナとマンゴーはベトナム産だが、あとは中国産が多いそうだ。
 街中にはカラオケ屋やマッサージ屋が多い。カラオケ屋は大変豪華な内装のところが多いのだとか。
 ベトナムで流通している商品の八〇パーセントぐらいが中国製品だそうだ。観光客はフランス人が多い。
 教育事情としては、小・中学校は義務教育。高校は四二パーセントぐらい、大学は二五パーセントぐらいの人が行くそうだ。
 鉄道はフランス植民地時代にフランス人がハノイ〜ホーチミン間に敷いた。ベトナムの主な鉄道はその時代に敷かれているそうだ。



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〈プロフィール〉
清水義範(しみず・よしのり)
1947年10月28日名古屋市生まれ。愛知教育大学卒業。81年『昭和御前試合』でデビュー。88年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。奇抜な発想とユーモアを駆使した小説やエッセイを次々と発表。著書多数。
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