連載
夫婦で行く 東南アジアの国々
「夫婦で行く 東南アジアの国々」 清水義範 Yoshinori Shimizu
第七章 インドネシア〈ジャワ島〉


 東南アジアを巡る旅のシリーズを、インドネシアで終えることにした。まだ行っていない国もあるのだが、インドシナ半島の国々を回ったので、おまけにインドネシアを足したと考えていただきたい。
 ただし、インドネシアは非常にたくさんの島々からなる国で国土面積も広く、人口も日本の倍ほどある。
 こういう国は島や地域によって文化も民族も宗教も風習も、何もかも違っていることだろう。それが魅力の国なのだ。
 私たちはなるべく多くの島へ行ってみたかったのだが、そういうツアーはないのだ。そもそも首都のジャカルタへ行くツアーもない。
 せめてこのくらいはと思って、ジャワ島、バリ島、スラウェシ島(昔はセレベス島といった)の三つの島に行くツアーに申し込んだのだが、二度、三度と日程を変えて申し込んでも催行されなかった。がっかりしたがどうしようもない。東南アジア三大仏教遺跡のボロブドゥールだけは見ておきたいので、不本意ながらメジャーなジャワ島とバリ島だけの旅行となってしまった。
 したがって、章タイトルはインドネシアとなっているが、本当はジャワ島とバリ島だけの旅行記である。
 二〇一六年の十月九日十一時四十五分発のガルーダ・インドネシア航空便で出発。ジャカルタの空港で入国したあと国内線に乗り換え、二十一時にジョクジャカルタの空港に着いた。
 ジャワ島ガイドのウジィ・アストティさん(女性)に迎えられ、バスでホテルに向かう。
 インドネシアの通貨はルピアである。ルピアを日本円に換算するには〇を二つ取ればいい感じだそうだ。たとえばチップは五〇〇〇〜一〇〇〇〇ルピアで、つまり五〇円から一〇〇円なのだ。
 ジョクジャカルタの街はジョクジャと略してよぶ。現地の人の発音ではヨクヤカルタと聞こえる。
 大学が多く、学生の街である。若者が多いので夜は賑やかだ。ジョクジャにバイクが多いのは、学生のいちばん安い交通手段だからだそうだ。
 地方から来た学生は、食事なしの下宿に複数人で住み自炊する。しかしおかずは好みが分かれるので屋台で買う。そのため夜になると屋台がいっぱい出る。
 国が家族計画を実施していて、子供は二人までと決められている。少子化のため子供がわがままになっている、というのがガイドのウジィさんの意見だった。
 若い人が多いせいか町に落書きが多かった。
 道路は土日祝日はとても渋滞する。信号は少なかった。
 ジョクジャは古都で三十年以上前から京都と姉妹都市になっている。ジョクジャはジャワ文化の中心地で、千年以上の文化を誇るのだ。
 ジャワでは七世紀頃にヒンズー教が入ってきた。八世紀に仏教が入り、隆盛となる。十四世紀頃からイスラム教が、アラビア、インド、中国などから入る。そこで宗教戦争がおこる。東部ジャワでは王妃がモンゴル系で敬虔なイスラム教徒だったので、王様たちもイスラムに改宗し、イスラムが隆盛になっていった。
 しかし、そもそもインドネシアにイスラム教が入ってきたのは、貿易のために往来するイスラム商人によって十二世紀頃かららしいが、中部ジャワにイスラムの国家ができたのは十五〜十六世紀だそうだ。長い年月をかけてイスラム化していったと考えればいいのだろう。



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〈プロフィール〉
清水義範(しみず・よしのり)
1947年10月28日名古屋市生まれ。愛知教育大学卒業。81年『昭和御前試合』でデビュー。88年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。奇抜な発想とユーモアを駆使した小説やエッセイを次々と発表。著書多数。
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第七章 インドネシア〈バリ島〉(最終回)
第七章 インドネシア〈ジャワ島〉
第六章 マレーシア(下)
第六章 マレーシア(上)
第五章 カンボジア(下)
第五章 カンボジア(上)
第四章 ベトナム(下)
第四章 ベトナム(上)
第三章 ラオス(下)
第三章 ラオス(上)
第二章 タイ(下)
第二章 タイ(上)
第一章 ミャンマー(下)
第一章 ミャンマー(上)