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2017年新春座談会 安部龍太郎×村木嵐×原口泉
◆2018年新春座談会 安部龍太郎×村木嵐×原口泉◆  

 一八六八(慶応三)年の明治維新から百五十年。NHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の放映も重なって熱く燃える鹿児島の地を、関連するテーマの著作もある作家の安部龍太郎さんと村木嵐さんが訪れ、鹿児島県立図書館長で鹿児島大学名誉教授(日本近世史・近代史)の原口泉さんと「薩摩(島津)から見た明治維新」について語り合った。原口さんは「西郷どん」の時代考証も手がける。鼎談(ていだん)の場所は島津家当主の別邸だった「仙巌園(せんがんえん)」。眼前に桜島を望む一帯にはかつて、幕末の藩主、島津斉彬(なりあきら)が築いた工場群があり、近代日本発祥の地として維新の歴史にも重要な役割を果たした。三人が注目したのは薩摩の強力な特殊性で、「ビジネスマンとしての西郷」も焦点になった。集英社文庫編集部次長の江口洋が進行役を務め、明治維新の期間をめぐる議論から縦横なやり取りがスタートした。

江口
今日はよろしくお願いいたします。原口先生と安部さんは、これまでにも取材で鹿児島を一緒に回ったりと親交がありますね。ちなみに、村木さんは鹿児島を訪れるのは何回目でしょうか?
村木
私は鹿児島に来るの、初めてです。
原口
そうでしたか、ようこそ薩摩へ。鹿児島はいかがでしょうか? 
村木
もう、大感激です。大好きなので、以前からずっと来たかったんです。
安部
僕も何回も鹿児島に足を運んでいますが、ここから見える今日の桜島は本当にきれいで雄大ですね。
村木
そうですよね、本当に桜島は必見だと思います。桜島を見ると、たいていのことは乗り越えられるんじゃないかと思えるくらい雄大ですね。
原口
そうでしょう、それ以外にも鹿児島はよいところがたくさんあるんですよ。
村木
はい、食べ物もおいしいし、景色もきれいだし、人も多いし (笑) 。観光資源に事欠かない場所だなと感じました。


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〈プロフィール〉
安部龍太郎

1955年福岡県生まれ。図書館に勤務するかたわら、短編で日本全史を網羅した『血の日本史』で90年デビュー。2005年『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞を受賞。13年『等伯』で第148回直木賞を受賞。著書に『信長燃ゆ』『海神』『関ヶ原連判状』『恋七夜』『宗麟の海』ほか多数。
村木 嵐

京都府生まれ。2010年『マルガリータ』で松本清張賞を受賞しデビュー。著書に『雪に咲く』『島津の空帰る雁』『地上の星』など。
原口 泉

1947年鹿児島県生まれ。鹿児島県立図書館館長。志學館大学教授。鹿児島大学名誉教授。東京大学文学部卒、文学修士。専門は日本近世史・近代史で、薩摩藩や琉球史に詳しい。大河ドラマ「西郷どん!」の時代考証にも携わっている。
司会/集英社文庫編集長
江口 洋