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連載
空間散歩
Illustration by 米山公啓
「脳がいきいき空間散歩」第7回 米山公啓
・驚愕の星空
満天の星。
満天の星。

 世の中には、想像を遥かに超えるものがあるものだ。人間、どうも先入観で見てしまい、それは歳とともにひどくなってくる。
 「ああ、あれねえ、以前見たことがあるよ」と、見てもいないのに言い出す始末だ。
 こうやって新しい情報を得るチャンスを失っていくのも加齢的情報減少(私が作った言葉なので検索しても出てきません)ではないだろうか。
 電源を入れると、何も映らない。もちろん説明書を読めば部屋を暗くしろとはあるのだろう。何も見えないから、部屋の電気を全部消してみた。
 暗くなった瞬間かなりの数の星が見えてきた。さらに数分眺めていると、次第に目が慣れてきて、「おお!」と思わず感嘆の声。
 たぶん多くの人がそう感じるはずだ。こんな小さな器械から、これほど多くの星が出てくるとは・・・。
 天の川も見える、星座もその気で眺めていればなんとなく見えてくる。
 星空はゆっくり回転しているので、まさに夜空を眺めている感覚になる。
 で、とっておきは流星である。
 10分くらい天井を眺めていると、さりげなく出現し消えていく。この流星探しが結構楽しいのだ。
 流れ星が出るたびに、そうそう願いを込めるわけにもいかないが、そんなにどんどん出てこない演出もいい。これも実際の夜空に近いような気がする。
 自宅の低い天井が本当に、星空のようになってしまうのだから驚きだ。
 柱が出っ張っていても、電球がぶら下がっていても、あまり関係なく映し出すことができる。
 家の屋根が開いて夜空を眺めながら寝ている雰囲気になってくる。
 自然ってすばらしい、私はすっかりこの感動を忘れていた、そんな気分にさせてくれる。
 流星スイッチがあって、これを切ってしまえば、流星は出てこない。星空の回転もスイッチで切ることができる。
 別のディスクで月の表面だけを大きく映し出すこともできる。さらに星座の勉強用に星座を結んで表示できるディスクもある。
 欠点といえば、音楽がないのが残念だ。やはり音楽を聞きながら眺めたくなる。だから私の膨大なヒーリングミュージックコレクションがアイポッドに入っているので、それを再生しながら眺めてみた。すると、これがばっちり夜空の雰囲気に合っている。
 やはり音楽と一緒に見たほうが断然いい。
 こうやって星座の勉強をして、星座を覚えていくと、もてるようになるかもしれない。
「あの星とあの星を結ぶとねえ、こぐま座になるんだよ」
 という大人の会話もなかなかいいが、まずはそういう時間に、二人で暗いところにいないといけない。だが、このマシンがあれば、自宅を暗くする理由もできるので、かなりデートは有利(どういう意味だ?)に展開できるはずだ。
 急に電気を消すという野暮なことをしなくとも、電気を消す理由があるのだから、彼女とのいい雰囲気づくりが期待できる。


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〈プロフィール〉
1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒。同大学第二内科助教授を経て作家に転身。医学博士。専門は神経内科。著書に「使命を忘れた医者たち」「医者がぼけた母親を介護する時」「もの忘れを防ぐ28の方法」等著書多数。
著者ホームページ
http://yoneyone.com

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最終回に来たところ
第39回
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第38回
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第37回
東京湾を眺める
第36回
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第2回
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