 |
|
|
|
 |
 |
12)駅で何が見えるのか |
家から駅まで、足早に歩き、先頭車両から3両目のホームの定位置に立っていると、電車が入ってきて、それに乗り込む。この間、6分34秒、この生活が土日以外はずっと続く。そんな中で何かを見つけろと言ってもそうそうできるものではない。
だいたい駅など、どこも一緒でモノトーンで、たまに駅構内に貼ってあるポスターに目をやる程度ではないだろうか。
たまに出会う美女はいつも少し離れた場所に立つのだが、わざわざそこで電車を待ちたいとも思わない。というのも自分が定位置にしている場所から乗れば、降りるここから3つめの駅では、乗り換え用の階段が目の前に来るからだ。
……というような日常生活の中で、駅とは単なる電車の乗り場に過ぎないと思っているだろう。
ところがである、デザインされ、一流の建築家が設計すれば、駅も空間体験の場となるのだ。 |
 |

ホッチキスの駅 |
|
 |
〈プロフィール〉 |
1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒。同大学第二内科助教授を経て作家に転身。医学博士。専門は神経内科。著書に「使命を忘れた医者たち」「医者がぼけた母親を介護する時」「もの忘れを防ぐ28の方法」等著書多数。
著者ホームページ
http://yoneyone.com |
 |
|
 |
|
|
 |