『脇坂副署長の長い一日』真保祐一 予測不能の24時間! 読み始めると眠れない、ノンストップ・ミステリー!全く新しい警官小説。 画/ミキワカコ

内容紹介

スリルと謎に満ちた24時間!
人気アイドルが一日署長を務める日、彼女の違法薬物使用の密告が入る。
同時に署内の不祥事が発覚!? 副署長の脇坂はイベントの裏で事態の収拾に駆け回るが、署内の派閥争いや癒着問題が絡み、事態は複雑化。
一方、脇坂の妻子も深夜に姿を消していた。次々と発生する事件を追うと、ひとつの共通項が見えてきた! 猛スピードの展開、驚くべき結末が快感。
全く新しい警察官小説。

大友花恋さん(女優・モデル)オススメ!!
「次々と現れる問題と真実。
全てが一つになった快感に頭がくらくらした」

脇坂副署長の長い一日

好評発売中
定価:本体790円+税
カバーデザイン:坂野公一(welle design)
イラストレーション:ミキワカコ
ISBN:978-4-08-744045-4

著者紹介

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。アニメーションディレクターを経て作家に。
91年『連鎖』で第37回江戸川乱歩賞を受賞。96年『ホワイトアウト』で第17回吉川英治文学新人賞、97年『奪取』で第50回日本推理作家協会賞および第10回山本周五郎賞、2006年『灰色の北壁』で第25回新田次郎文学賞を受賞。近著に『暗闇のアリア』『こちら横浜市港湾局みなと振興課です』『おまえの罪を自白しろ』などがある。

主な登場人物

…… 賀江出署 ……
  • 脇坂誠司

    脇坂誠司(わきさか・せいじ)

    ……副署長。

    それぞれの板挟みになり、間を取り持ちながら、イベント当日に起きた事件の収拾に奔走する。部下のミスで責任を取らされ、左遷された経験を持つ。

  • 菊島基

    菊島基(きくしま・もとき)

    ……署長。

    異例のスピードで警視正に昇進。堅物として知られる。マスコミが押し寄せるイベント当日の不祥事発覚を恐れ、脇坂に事態収拾を厳命する。

  • 鈴本英哉

    鈴本英哉(すずもと・ひでや)

    ……地域課三係の巡査部長。

    成績優秀ではあるが、要注意人物とされている。イベント当日、鈴本が乗っていたと見られるスクーターの事故が発生。行方をくらます。

…… 脇坂家 ……
  • 児玉由希子

    児玉由希子(こだま・ゆきこ)

    ……脇坂の娘。

    警察官の夫と結婚し、家を出ている。深夜に実家に帰省すると母・有子と弟・洋司の姿が見えず、二人を探す。母の行動を解き明かそうとする。

  • 脇坂有子

    脇坂有子(わきさか・ゆうこ)

    ……脇坂の妻。

    娘・由希子から深夜に自宅を出ていた理由を追及されるも何かを隠しており、必死に誤魔化す。

  • 脇坂洋司

    脇坂洋司(わきさか・ようじ)

    ……脇坂の息子。

    旭町の歓楽街で深夜に喧嘩騒ぎに巻き込まれ、軽傷を負う。

…… その他 ……
  • 桐原もえみ

    桐原もえみ(きりはら・もえみ)

    ……地元出身の人気アイドル。

    ある目的を持って、自ら一日警察署長を希望するが、違法薬物使用の密告が入る。

  • 細倉達樹

    細倉達樹(ほそくら・たつき)

    ……東和通信・社会部記者。

    ネタを入手するため、日々警官をつけ回す。イベント裏の不穏な空気をいち早く嗅ぎ取る。

反響続々!!

おぉ、これは、真保裕一版「24-TWENTY FOUR-」ではないか!

畳み掛けるように発生する新たな事案、時間を追うごとに苦しい立場に追い込まれていく脇坂。脇坂の家庭内は家庭内で、由希子が追いかける謎は、謎が謎を呼ぶように、不穏さを増していく。ばらばらに巻き起こっていたことが、やがて一つの筋にまとまっていく。

真保さんの著作に共通するのは、物語の重層さと、構成の妙なのだが、それは本書でも存分に活かされていて、骨太の警察小説に家族小説を絡めたことで、味わいがぐんと深みを増している。
読者はこの、根っからの警察官である脇坂はもちろん、脇坂家の面々に対して、なんだか微笑ましい気持ちになることができるのだ。最初から最後まで、読者サービスに徹した、真保さんのプロ意識の高さ、を存分に味わえるのが本書なのである。

文芸評論家 吉田伸子(文庫解説より)

いやあ、わくわくしながら読んだ。おお、そうきたかと思った。

『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』など仕事小説が人気を博している真保裕一が、今度は警察小説を書いたのだ。興味深いのは、同時多発的に起きる事件が進行していくモジュラー型警察小説を採用していることで、これがなかなかいい。
しかもタイトルにあるように、一日限定とくれば、海外ミステリファンなら、モジュラー型警察小説の始祖、J・J・マリックの『ギデオンの一日』を思い出すだろうし、警察捜査小説を世界的に大きく発展させたエド・マクベインの87分署シリーズのノンフィクション的な異色作『夜と昼』を想起する人もいるかもしれない。
しかしもちろん国産ミステリの小説巧者真保裕一は、それらを踏まえながらも、日本社会のいまを反映させる人物と組織を提示していくからたまらない。さすがである。
物語は、まず、賀江出(かえで)署の副署長脇坂の娘由希子が深夜実家に帰ってくる場面から始まる。由希子もまた警察官と結婚したものの、その日はある事情で実家を訪れたのだが、母親と弟の洋司の姿がない。あわてて外に出たような痕跡がある。二人の携帯に電話しても通じない。心配になり、父親の脇坂に電話するものの相手にされない。かりにも警察官の妻が用事もないのに電話をよこすな、そもそもなぜ実家に帰ってきた、夫と何かあったのかと訊かれてしまう。
四時間後、官舎のワンルームで寝ていた脇坂は電話で起こされる。スクーターの転倒事故が発生したが、運転手の姿はない。持ち主は地域課三係の鈴本巡査部長の母親。電話をすると母親が出て、息子が乗っていったという。だが、鈴本の携帯の電源はきれており、連絡がつかない。何があった。やがて脇坂のところに娘から連絡があり、洋司が喧嘩騒ぎに巻き込まれ、軽傷を負い、病院に運ばれたという。
その日は、アイドルが一日署長を務める日だった。ファンや地元の議員やマスコミが大挙して押し寄せる。だが順調にはいかなかった。アイドルが薬物におかされている、乗ってきた車を見ろという匿名の手紙が届き、調査せざるをえなかった……。
という紹介をすると、大した事件も起きないではないかと思われるかもしれないが、ひとつひとつに細かいひねりがあって驚くし(とくにアイドルが一日署長を務める話をここまで広げ、効果的に肉付けされた小説はないだろう)、やがて刑事たちの関心は九年前に起きたある事故死へと向かう。それが署内の派閥力学をゆるがし、脇坂が左遷される契機となった四年前の収賄事件の証拠紛失問題へとつながり、脇坂は難しい選択を迫られることになる。
読んでいくとわかるが、この脇坂は副署長であるけれど、現場にもどって捜査活動に従事したいのである。しかも一日中、仕事をしていたい、いわばワーカホリック刑事。仕事中毒の刑事といえば、マイクル・Z・リューインの『夜勤刑事』のリーロイ・パウダー警部補、R・D・ウィングフィールドの『クリスマスのフロスト』のジャック・フロスト警部を思い浮かべてしまうが、脇坂は偏屈でも下品でもなく(でも、リューインやウィングフィールドの小説を読むと、偏屈さや下品さが逆に親しみや好感を呼ぶ要素になっているから不思議)、妻帯者でしっかりと家族のことも気にかけているし、部下からも慕われている。
海外の警察小説では署内での派閥など存在しないが、日本の警察小説らしく、派閥を構成していて、脇坂はそこに巻き込まれる。友情と政治的な駆け引きの板挟みという脇筋が、メイン・ストーリーを生かして光っているのである。
メイン・ストーリーといえば、海外の小説との違いは、並行していく事件の扱いだろう。海外では並行していく事件はばらばらに解決するのだが(関係しないことも多い。そのほうがリアルだからで、マリックとエド・マクの作品もそう)、日本ではそういう形式はとらず、ほとんどどこかの一点で交錯することになる。この小説もそうで、三つも四つもばらばらに起きて、脇坂を悩ます小事件のいくつかが、少しずつからみ合い、ひとつにまとめられていく。これが実に鮮やかであるし、そこには充分なひねりもあって波瀾に富む。
さらにラスト、すべての事件を解決した深夜(ちょうどまるまる24時間たって)、自宅に戻ると家庭的な風景が待っているけれど、しかし……という展開も、いかにも刑事一家の性(さが)を描いていてニヤリとさせられる。真保裕一は本当に、最初から最後の最後まで楽しませてくれるのだ。ぜひともシリーズ化して、続きを読ませてほしい。

文芸評論家 池上冬樹(「青春と読書」2016年11月号より)

  • 「脇坂副署長の刑事魂がかっこいいスカッとする小説」(女性)

  • 「次々と目まぐるしく移り変わる場面と展開に、ちょっと盛り込みすぎじゃないかと不安になりますが、全てがどこかに繋がっていくからスゴいです」(女性)

  • 「めまぐるしく変わる展開に引き込まれました」(40代・男性・公務員)

  • 「次から次へと事件がおきて、ノンストップで読んでしまいました。面白かった」(女性・事務)

  • 「読みやすくて、スピード感もあり、面白い。やはりこの作家さんは好み」(男性)

  • 「予想もしない出来事の結末、警察の内部事情も絡まって、とても面白かった」(女性)

  • 「続編希望します」(女性)

  • 「全部綺麗につながっていくところが気持ち良かった」(20代・女性・学生)

  • 「次から次に起きる事件に翻弄される脇坂。本当に長い一日。スピーディな展開で、全ての事がひとつに繋がっていく様子が面白かった」(60代・女性・主婦)

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