どこへ行くあてもなく、海と反対方向に歩くうちに、建設中のサグラダ・ファミリア聖堂についた。小さいころ父に連れられて、この支離滅裂な彫刻群やファサードを時どきながめにきた。聖堂は呪いにでもかかったように、いつまでたっても立ちあがりそうにない。周囲でバルセロナの都がどんどん大きくなっていくのに、サグラダ・ファミリアだけは最初の日から廃墟のままで、ここをまた訪れては、自分の目でそれを確かめるのが、子どものぼくの楽しみだった。

第一幕 呪われた者たちの都 上巻/P125