新聞社『産業の声』紙編集部で使い走りをしていたところ、日曜版に自作の物語を連載する幸運に恵まれ、専業作家の道へ。不気味な「塔の館」に居を構えているが、そこは過去にも謎の作家"ディエゴ・マルラスカ"が暮らした形跡があり…。
ダビッドの作品の熱狂的なファンにして、自身も作家志望の若い娘。ダビッドのアシスタントになるため家を飛び出し、塔の館に住み着いた。料理上手で世話焼き好き、そして少し口が多い、明るい娘。
バルセロナきっての富豪一族の御曹司。ダビッドの才能を早くから評価し、彼にチャンスを与えた。自身も作家であり、推理小説を数多く出版している。近代主義様式の堂々たる豪邸「ビジャ・エリウス」に住む。
ビダルのお抱え運転手・マヌエルの娘。非常な美貌の持ち主で、ダビッドは長いこと思いを寄せている。冒険小説を書いて身をすり減らすダビッドに対し厳しい目を向けているが…。
旧市街、サンタアナ通りにある古書店を営む親子。父のほうは幼かったダビッドが好きなだけ店内で本を読めるようにはからい、作家となってからは"忘れられた本の墓場"へ彼を導く。息子の方はたいそうな美形だが非常に内気で、いい年になるのに女性との付き合いがなく、父をやきもきさせている。
アルコ・デル・テアトロ通りにある〝忘れられた本の墓場〟の管理人。銀髪で、鷲のような顔つきで目が鋭い、小柄な男。皮肉屋。
パリ・サンジェルマン大通りにあるとされる宗教書専門出版社の名刺を持つ、謎の編集者。デビュー当時からダビッドの作品の熱烈な読者で、時折手紙を送ってくる。上着の襟には常に翼を広げた天使をかたどった銀のバッジをつけている。
優秀な弁護士だったが作家を志し、弁護士を廃業。その矢先に愛児を不慮の事故で亡くす。失意のまま「塔の館」に愛人と移り住み、降霊術にふける日々を送った。