『天使のゲーム』がすばらしい小説であることを、お知らせできて大変うれしい。仕立てが実に美しく、出来のよさは前作をも越える。輝かしきデビュー作にも増して表現豊かで、揺るぎなく、波瀾にみちている。ハラハラドキドキしながら、私はすっかりこの本の虜になってしまい、読んでいる間じゅう楽しくてしかたなかった。“バルセロナのディケンズ”サフォンは、小説づくりの技術において、最高の腕をもつ現代作家だ。
Corriere Della Sera
ディケンズを最大の代表とする十九世紀文学の作家たちは、当世の大衆の心をつかみながら、同時に永続的効力をもつ作品を創る術を知っていた。サフォンは自らの功績によって、その伝統に名を列ねている。十九世紀ホラー文学をモデルにした『天使のゲーム』は、物語のドラマティックな緊張感を越えて、文学のトレンドそのものに光をあたえる提案をなしている。
Frankfurter Allgemeine Sonntagzeitung
カルロス・ルイス・サフォンは、偉大な作家になるというのがどういうことか、その意味を改めて創出した。物語を綴るサフォンの先見的技巧は、いまや文学ジャンルのひとつだ。
USA Tody
かつて『ドンキホーテ』の創作者が“騎士道小説”に注目したように、ルイス・サフォンは現代で人気のある様々なジャンルを駆使した。あるページの謎が、次のページで解かれ、同時に新たな謎が提示され・・・そんなふうに読者をひきつけてやまない作品が、結果として生まれた。
Deutschlandradio Kultur
彼の創意は大胆、真剣で、強烈だ。二十世紀スペインの悲惨な歴史を語る手並みは、鮮やかな筆致とともに傑出している。これは一都市にかぎらない、全世界の遺産である。
The Times
このたびも、サフォンの文体は豊かで美しい。魔法のようなその魅力には、逆らおうにも逆らえない。
DieWelt
サフォンは自らの愛する古きバルセロナの都(まち)の風景を『天使のゲーム』にあらためてとりこんだ。この小説は、前作を補完、あるいは対峙さえしながら、作品自体の価値において際立っている。前作が“読書にひたる悦び”を讃えたとすれば、本書は“書くという苦悩”を探りあてた。
The Independent
サフォンの語りのペースは非の打ち所がなく、物語は幻想的な、魔法の愉しみにあふれている。これほど読者を魅了する作家は他にいない。
The Guardian
サフォンのディケンズ趣味は全篇をつうじて示されるとおりだが、“本”に人を変える力があると信じる者を、誰かれとなく虜にしてくれる。『天使のゲーム』は、ウィルキー・コリンズ、ディケンズをはじめとする十九世紀の作家の伝統をくんで、完壁なオリジナリティーをもちつつ、驚くほど感動を誘うものを紡いでいる。だからこそ読者は、物語の行く末に、最後まで興奮させられつづけるのだ。
The Observer
サフォンは回想の名人だ。フィクションの力にたいする彼の信仰は、心に優しくせまり、伝染する。
Financial Times
『風の影』の読者は、このたびも「忘れられた本の墓場」に足を踏みいれることになる。ウンベルト・エーコを彷彿とさせるこの図書館では、迷宮に埋もれた“本”たちが読者を選びはじめるのだ。精彩を放つ、波瀾にみちたゴシック・エンターテインメント。
The Spectator
『風の影』に夢中にさせられた読者は、『天使のゲーム』の魅力にも抗えないだろう。やはりバルセロナを舞台にしたサフォンの第二弾、この度は1920年代が背景で、ミステリアスなゴシックの世界「忘れられた本の墓場」に、私たちはまた引き戻されることになる。本書では、若き作家ダビッド・マルティンが、自分の命、そして巨額の金とひきかえに人々の運命を変えるほどの本を書くという、ありえない取引をしてしまう・・・。ともかく“見事”のひと言につきる小説。最後まで読みきるのに、ひと晩徹夜しても惜しくない。
The Bookseller
暗い迷宮のごときゴシックな続編もまた、秀逸な構成が効いて、人をぐいぐい引きこみ、当惑させる。サフォンファンも、新たな読者も、同じように魅了されるだろう。
Publishers Weekly
カルロス・ルイス・サフォンの第二弾は、読めば読むほど、なにかキツネにでもつままれているような気になってくる。じつは、それこそが、本書の魅力の半分を占めているのだ。物語を書く悦び、そして文学という慰めを讃えた『天使のゲーム』は、『風の影』の続編として紹介されながらも、独立した作品として読むことができる。
Sunday telegraph