担当者からのオススメ!
宣伝担当 スガイッちオススメの本
スガイッちオススメの本
『貴族探偵』 麻耶雄嵩 著
「雑務は使用人に任せておけばいいんですよ」
な、なんじゃこりゃあ!!な探偵小説。
スガイッちオススメの本 『貴族探偵』 麻耶雄嵩 著
撮影協力:ミュージックサロンエスプリ
www.musicsalonesprit.com
 
ペロっ、これは青酸カリ!
どうも約半年ぶりのご無沙汰でした。スガイでございます。
忘れた頃にやってくる「担当者のオススメ」で、何を書こうと思っていた矢先、ちょうど今月からのミステリーフェアにて、ちょうど良い作品がラインナップに入っておりました。

それが今回ご紹介する『貴族探偵』です。
「貴族なのに探偵」。まさに名は体を表す作品です。

古今東西、老若男女「探偵」という職業の人々は、比較的キャラ立ちにおいては不自由しないものです。たとえば少年探偵団を引き連れ事件を解決する名探偵もいれば、安楽椅子に腰掛けて事件を解決してしまう探偵もいます。また小説ではありませんが「見た目は子供、中身は大人」な小学生探偵や、祖父が高名であることをいいことに、それを決めセリフとしている高校生探偵など、枚挙にいとまがありません。いいかえれば、探偵を主人公とする物語で面白い条件は、とにかく探偵のキャラクターが立っていることである、と言えるかもしれません。

そういった中でも、今回の『貴族探偵』は究極のキャラ立ち探偵小説といえます。一例として作中の事件発生から大まかな流れを列記します。

①とある山荘で、鍵がかかった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見されます(これはありがちな展開です)。

②さっそくの捜査に乗り出す地元警察。容疑者を順番に聴取していきます(ここまではよくある流れです)。

③そこに突如執事やメイドら使用人を引き連れて「貴族探偵」が登場します(←!?)。

④貴族探偵は警察上部へ強力なコネを持ち、使用人を駆使して難事件を解決します(←!!?????)

名探偵の行く先々で人が死んだり、探偵のまえでは警察は引き立て役だったりというのが探偵小説の掟です。しかしながら、本作では「探偵が謎解きを行い、事件を解決する」という暗黙の掟がまったく守られません。本人はむしろ推理を「つまらない作業」と断言し、すべて使用人任せです。そして優雅なティータイム女性を口説くことに終始します。

‥今まで、こんな探偵がいたでしょうか。

もちろん最後は優秀な使用人たちが巧みな推理で事件を解決していきます。そのお手並みはまさに鮮やかというしかありません。推理小説を読みなれている方にとっては、推理しない探偵というのが非常に新鮮に思えますし、ある種の感動すら覚えます。ちなみに私自身は生まれてこのかた貴族にも探偵にも出会ったことはありませんが、もし仮に貴族が探偵をした場合はこういうものか、とあやうく納得しかけました。

ちなみにまだ文庫化はされておりませんが、次回作もあります。その名も『貴族探偵対女探偵』です。‥もう何がなんだかわかりませんが、タイトルから察するにきっと推理対決ですね!ただ貴族探偵は推理しないんでしょうけど。

詳しくはBOOK NAVIへ
プロフィール
スガイッち
クールな酔っ払い系 宣伝担当
とりあえずビールにはじまり焼酎、ワインとアルコールランプ以外は何でもアリ。酒にまつわる伝説多数。夢は、ウイスキーの似合うハードボイルドな大人の男。趣味は映画鑑賞とジャイアンツ。最近はまっているのは、海外探偵小説。今日も、オシャレな白い靴をはいて面白い本をハンティングする毎日。
Archive
2014.11.20
  貴族探偵
麻耶雄嵩 著
2014.04.18
  結婚は人生の墓場か?
姫野カオルコ 著
2013.11.20
  淋しいのはお前だけじゃな
枡野浩一 著
2013.03.19
  追想五断章
米澤穂信 著
2012.01.20
  とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド
みうらじゅん 著
2012.01.20
  初恋温泉
吉田修一 著
2011.09.16
  叡智の断片
池澤夏樹 著
2011.02.18
  ムボガ
原 宏一 著
2010.10.20
  空をつかむまで
関口 尚 著
2010.6.25
  マイナス・ゼロ
広瀬 正 著
2010.2.19
  ガダラの豚 I II III
中島らも 著
2009.12.16
  よもつひらさか
今邑 彩 著
2009.10.20
  金のゆりかご
北川歩実 著
2009.2.20
  おれは非情勤
東野圭吾 著
2008.11.20
  東京バンドワゴン
小路幸也 著
2008.07.18
  夏と花火と私の死体
乙一 著
「担当者からのオススメ!」トップへ