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担当者からのオススメ!
販売担当 スガイッちオススメの本
スガイッちオススメの本
『追想五断章』 米澤穂信 著
「謎はすべて解けた!じっちゃんの名にかけて!」
スガイッちオススメの本 『追想五断章』 米澤穂信 著
 
‥でも「リドルストーリー=結末のない物語」ってなんじゃらほい!

どうもこんにちは。「見た目はオトナ!中身はコドモ」を地で行くスガイっちです。1年ぶりのご無沙汰でした。私は最近もっぱらミステリーばかりを読んでおり、特にどんでん返しもので、「うそーん!」とひっくり返るのがささやかな楽しみでもあります。そんな著者からしてみれば単純‥もとい良いお客さんでもある私が、2013年4月に控えている『集英社文庫 ミステリーフェア』のラインナップから太鼓判の1冊をご紹介します。今回ご紹介するのは、米澤穂信さんの『追想五断章』です。

それでは内容紹介を。
大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」(リドルストーリー)を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。

ミステリーと呼ばれる作品は、作品のテーマや構造によって、数多くのカテゴリーに分けられます。たとえば「クローズドサークル(例:吹雪の山荘もの)」、「フーダニット(Who done it=誰が殺したか)」、「ワイダニット(Why done it=なぜ殺したか)」などがあり、上述のわたしが「うそーん!」と言ったどんでん返しものは、読者のミスリードを誘い物語のクライマックスで種明かしをする「叙述トリック」と呼ばれます。今回ご紹介する『追想五断章』は「リドルストーリー」と呼ばれるカテゴリーに属し、読者に委ねて結末を書いていない小説になります。芥川龍之介の『藪の中』、F・R・ストックトンの『女か虎か』が有名ですね。

この物語のキーになっているのは、まさに「結末のない物語」(リドルストーリー)です。 作中でも主人公がある女性の父親が書いた5篇の「結末の無い物語」を頼りに、過去の事件の真相を探っていきます。その中で解読していく様子はハラハラドキドキというよりも、パズルを少しずつ解いていく過程に似ています。淡々と話が進んでいく作品ではありますが、作中に出てくるショートストーリーも個々に面白く、読んで全く飽きさせません。

なおこの作品は2009年の「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」など各賞レースでも上位にランクインするなど、非常に高い評価を受けた作品でもあります。
5つの「結末のない物語」をすべて読んだとき、主人公が目にしたものとは──。おっと、あぶない、本作の結末は皆さんが実際に読んで、確認してみてください。

詳しくはBOOK NAVIへ
プロフィール
スガイッち
クールな酔っ払い系 宣伝担当
とりあえずビールにはじまり焼酎、ワインとアルコールランプ以外は何でもアリ。酒にまつわる伝説多数。夢は、ウイスキーの似合うハードボイルドな大人の男。趣味は映画鑑賞とジャイアンツ。最近はまっているのは、海外探偵小説。今日も、オシャレな白い靴をはいて面白い本をハンティングする毎日。
Archive
2014.11.20
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麻耶雄嵩 著
2014.04.18
  結婚は人生の墓場か?
姫野カオルコ 著
2013.11.20
  淋しいのはお前だけじゃな
枡野浩一 著
2013.03.19
  追想五断章
米澤穂信 著
2012.01.20
  とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド
みうらじゅん 著
2012.01.20
  初恋温泉
吉田修一 著
2011.09.16
  叡智の断片
池澤夏樹 著
2011.02.18
  ムボガ
原 宏一 著
2010.10.20
  空をつかむまで
関口 尚 著
2010.6.25
  マイナス・ゼロ
広瀬 正 著
2010.2.19
  ガダラの豚 I II III
中島らも 著
2009.12.16
  よもつひらさか
今邑 彩 著
2009.10.20
  金のゆりかご
北川歩実 著
2009.2.20
  おれは非情勤
東野圭吾 著
2008.11.20
  東京バンドワゴン
小路幸也 著
2008.07.18
  夏と花火と私の死体
乙一 著
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