名句誕生の瞬間に立ち会う感動を体感せよ!
曾良視点で描かれる、紀行文学の最高峰。珍道中を楽しみながら、誰もが知る句の「何が凄いのか」が理解できます!

俳諧の確立のため奥州への旅を望んだ松尾芭蕉。弟子の曾良はその旅に同行することに。師の抱える矛盾に翻弄されながらも、名句が誕生する瞬間に立ち会える感動も味わう。その凄みや壮大な野望を実感するごとに、彼が創作のためには自らとの別れすらも欲していることに気付いてしまう。軽妙な文体で描かれた珍道中を楽しみつつ、紀行文の最高峰に込められた奥深さを体感できる、画期的な歴史小説。

2025年4月18日発売
1,056円(税込)
文庫判/432ページ
ISBN:978-4-08-744765-1

【芭蕉と曾良の足跡を辿る】

【著者プロフィール】

関口 尚(せきぐち・ひさし)

1972年、栃木県生まれ。99年、茨城大学大学院人文科学研究科を修了。2002年、『プリズムの夏』で第15回小説すばる新人賞を受賞して、作家デビューする。07年、『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞を受賞。著書に『君に舞い降りる白』『パコと魔法の絵本』『はとの神様』『サニー・シックスティーン・ルール』『ブックのいた街』『虹の音色が聞こえたら』などがある。

【好評発売中! 関口尚の本】

虹の音色が聞こえたら

絶望的な日々から逃げずに済んだのは、三線と沖縄民謡、そしてあなたに出会えたから。

小5の眠人は、昼間から酒に溺れる父を避け、夜まで公園で過ごす毎日。唯一の理解者は、家庭に事情がありながら元気に過ごす同級生の竜征。ある日、公園の東屋に女子高生が来て、三線という沖縄の楽器を弾き始めた。眠人はその音色に魅了される。彼の人生に新しい風が吹いた瞬間だった。出会いと別れ、友情と恋、進路と自立。理不尽な現実に立ち向かうあなたの心にやさしく沁みる、青春小説。

2022年8月19日発売
693円(税込)
文庫判/320ページ
ISBN:978-4-08-744426-1

明星に歌え

お遍路ツアーに全国から参加した大学生の玲たち。過酷な道のり、それぞれが抱える旅の理由、行く先々で出会う人々。メンバー間の軋轢、結束、そして脱落……。忘れられない夏が始まる。

四国お遍路ツアーに参加した大学生の玲。7人の班で旅が始まる。天真爛漫な太陽、ひねくれた態度の剣也、誰とも打ち解けない花凜……。10歳以前の記憶がない玲だけでなく、それぞれが事情を抱えている様子。過酷な道中、予期せぬトラブルも生じ、離脱せざるを得ない者も。軋轢も和解もあり、やがて結束するメンバー。長い長い歩みの果てに、彼らを待っているものは。忘れられない青春群像小説。

2018年3月20日発売
902円(税込)
文庫判/544ページ
ISBN:978-4-08-745718-6

ナツイロ

あの夏を忘れない……書き下ろし青春小説
みかん農家のアルバイターとして暮らした愛媛で知り合った女子はシンガーソングライター。彼女に振り回された季節は、それでも輝いた日々だったのかもしれない。今どき大学生の青春小説。

大学のリゾートバイト研究会に所属する田中譲。とある出来事で大学から遠ざかり、住み込みのみかんアルバイターとして、ひとり愛媛へ。1歳下のシンガーソングライターの女子と出会う。次第に彼女のペースに巻き込まれ、アルバム製作の費用を用立てて、一緒に曲作りをすることに。彼女に振りまわされた季節は、それでもやっぱり輝いていた。青春まっただ中の男子と女子の物語。

2012年6月26日発売
545円(税込)
文庫判/280ページ
ISBN:978-4-08-746850-2

空をつかむまで

市町村合併に揺れる村に住む優太は中学3年生。ひょんなことから同じ水泳部の姫とモー次郎と一緒にトライアスロン大会に出場するはめに。勝利の行方は? あのころのあなたの物語。青春きらめく第22回坪田譲治文学賞受賞作。

膝の故障で得意のサッカーを諦めた優太は、廃校が決まった田舎の中学に通う3年生。無理やり入部させられた水泳部には、姫と呼ばれる県の記録保持者と、泳げないデブのモー次郎しかいない。3人は、なくなってしまう美里中学のため、優勝すべくトライアスロン大会に挑む。市町村合併を背景にまばゆい青春の葛藤と疾走を描いた少年少女小説。第22回坪田譲治文学賞受賞作。

2009年6月26日発売
660円(税込)
文庫判/376ページ
ISBN:978-4-08-746445-0

君に舞い降りる白

君に届けたい光がある――
鉱石を売るバイトをする大学生の桜井は、客の雪衣に恋をする。しかし、彼女は自分のことを全く話そうとしなかった。そしてお祭りの夜、桜井は雪衣の衝撃的な過去を知り――。

もう誰も、好きにならない。鉱石店でアルバイトをする大学生の修二は、そう心に決めていた。しかし、店に来る少女・雪衣(ゆきい)のことが少しずつ気になり始める。次第に距離を縮めるふたりだったが、彼女は自分の素性を一切話さない。だが、ついに彼女が隠していた秘密を知ってしまう。その時、修二は――。人を深く想うということを描いた、心に響く美しい青春小説。

2007年9月20日発売
759円(税込)
文庫判/408ページ
ISBN:978-4-08-746213-5

プリズムの夏

僕は、彼女を救えるだろうか。高三の「ぼく」は映画館で働く松下さんに恋をしていた。だが、彼女はうつ病日記をネットで書く「アンアン」ではないかと思い始め――。真直ぐな思いを鮮烈に描く青春恋愛小説。第15回小説すばる新人賞受賞作。

「わたしはわたしをやめたい。もう消えてしまいたい」。ネットで見つけた、うつ病女性の日記。高3のぼくは、書いているのが片思いの相手・松下さんではないかと疑い始める。映画館で働く美しい彼女にそんな気配はないけど、証拠は積み重なる。死へ向かう、日記の女性が松下さんなら、ぼくは助けたい。どんなに苦しいことがあっても――。ひたむきな想いを描く青春小説。第15回小説すばる新人賞受賞作。

2005年7月20日発売
506円(税込)
文庫判/200ページ
ISBN:4-08-747839-4