暗夜鬼譚 細雪剣舞/凶剣凍夜

瀬川貴次

襲う竹の怪! 吹き荒れる嵐!
物の怪たちを陰で操る白拍子の正体とは――⁉
光と闇が交錯する平安王朝絵巻。

巨大な牛の化け物が、承香殿の女御を強襲した事件からほどなく、今度は彼女宛てに一通の恋文が届く。恋文を渡すや否や、忽然と姿を消したという謎の男。残された青竹の香りに、夏樹はこの世ならざる異様な気配を覚えるのだった。一方、一条は真夜中の竹林で、太刀を手に猛々しく舞い躍る妖しき白拍子と遭遇する。不吉な笑みを湛えたその娘はいったい何者なのか――。平安怪奇譚、迫りくる嵐!

2026年5月21日発売
1,100円(税込)
文庫判/432ページ
ISBN:978-4-08-743001-1

馬頭鬼めずきあおえが語る登場人物

なつ
帝のおそば近くに仕える蔵人くろうどっていう職務に就いていて、真面目で優しい善いひとです。あの日本三大怨のひとり、すがわらの道真みちざね公の血をひいていて、ゆかりの太刀で物の怪たちをバッタバッタと切り倒しちゃいます!ちょっと不幸体質っていうか、ひどい目に遭いがちなところもあるので、わたしが冥府に戻れるその日まで、そばで優しく見守ってあげられればって思ってたりもしまーす。

いちじょう
おんみょうの修行をしているおんみょうしょうで、夏樹さんのお隣に住んでいます。男装の美少女かと疑われるほど容姿端麗なんですけどぉ、中身はけっこうズボラで乱暴で、お友達も夏樹さんしかいないんですよ。わたしには何かときつく当たるんですけどぉ、それもほら、ヘタすぎる愛情表現のひとつなんじゃないかなって思わなくもなかったりして……うふふっ。

ゆき
夏樹さんのいとこで、伊勢という名で弘徽こき殿でんにょうさまの女房をつとめています。一条さんに負けないくらいの猫かぶりで、宮中では才気あふれる若女房、夏樹さんには意地悪ばかり、でも本当は夏樹さんが大好きっていう、ややこしいことになっています。わたしは応援してますけどぉ、夏樹さんの鈍さも筋金入りですからね。いっそ、一条さんの師匠の賀茂のごんのはかに乗り換えちゃいませんかと推奨中です。

あおえ
青い瞳も愛くるしい馬の頭に、たくましい人間の身体を備えた麗しの馬頭鬼めずき。冥府では獄卒として働いていましたが、些細なことで追放され、一条さんのやしきの居候となりました。きっと、薔薇のごとく華やかに激しく生きるさだめなのでしょうね……。

【あおえが語る前巻までのあらすじ】

 こんな、癖はありありだけれども楽しいかたがたと、隠そうとしても魅力と才能があふれて止まらないわたくし、馬頭鬼のあおえが平安の都を舞台に大活躍しております。
 王朝文化華やかなりし平安時代、光あるところに影があるように、闇もまた、それなりに深いこのご時世。帝のお妃さまで、めでたく懐妊された承香殿の女御さまの周辺には、おそろしい物の怪が出現します。それを陰で操るのは、妖しくも美しい白拍子……。彼女の正体と、その目的とは!?  
 物の怪を手引きしたとの嫌疑をかけられた、滝口の武士の弘季さん(イケてる渋いおじさまです)はどうなるのか。夏樹さんは、一条さんは、この難局にどう立ち向かっていくのか。わたくし、あおえの奮闘もどうぞお楽しみに!

【シリーズ好評発売中】

暗夜鬼譚
春宵白梅花

平安建都から百五十年あまり。
少年武官の夏樹と美貌の陰陽師見習い一条が宮中の怪異に挑む!

暗夜鬼譚
遊行天女

日照り続きの平安京で雨乞い合戦が行われた。
だが祈祷の最中、雲の中から異形の獣が出現する!

暗夜鬼譚
夜叉姫恋変化

夏樹が曼珠沙華の野で一目惚れした美少女と都を跋扈する盗賊、宮中に出没する物の怪の繋がりとは?

暗夜鬼譚
血染雪乱

都の魔所のひとつで行われる鬼退治に同行した夏樹。
だが現れた鬼は一条の師匠である陰陽師にそっくりで……。

暗夜鬼譚
紫花玉響

運命の出逢いを探す帝の夜のお忍びに夏樹がお供をした日。
藤の花が咲く家で美しい姫を見かけて……。

暗夜鬼譚
五月雨幻燈

陰陽師見習いの一条は丹波を訪れるように命じられる。
親友を気づかう夏樹を、身に覚えのない災厄が次々と襲い……。

暗夜鬼譚
空蝉挽歌 <前>

夏樹と一条に、最大の危機がせまる!
女御の周りに夜ごと現れる妖しき影の正体は!?

暗夜鬼譚
空蝉挽歌<中>

一条、死す──!? 親友の死を夏樹は受け入れられるのか
波乱の平安王朝絵巻!

暗夜鬼譚
空蝉挽歌 <後>

信じたい人の、本当の姿は──。
冥府をも巻きこんだ騒動の結末は!?

暗夜鬼譚
狐火恋慕

いま明かされる、一条の出生の秘密!
傷心の夏樹の前に、妖しい女たちが現れ──。

暗夜鬼譚
綺羅星群舞

平安怪奇ロマン 暗夜鬼譚シリーズの綺羅星オールスター群舞てんやわんやする 爆笑ギャグ短編4連発!
馬頭鬼・あおえが大暴れ!?

暗夜鬼譚
霜剣落花

巨大な黒い牛が、宮中を暴れまわる⁉
帝の子を身籠る女御に、恐ろしい呪物が届いて――。
怒濤の完結編、開幕!

瀬川貴次が贈る大人気平安冒険譚!

【著者プロフィール】

瀬川貴次(せがわ・たかつぐ)

1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。集英社コバルト文庫に「聖霊狩り」シリーズ、「鬼舞」シリーズなど著書多数。集英社文庫に『波に舞ふ舞ふ平清盛』、『闇に歌えば 文化庁特殊文化財課事件ファイル』、「暗夜鬼譚」シリーズ、「ばけもの好む中将」シリーズ、オレンジ文庫に「怪奇編集部『トワイライト』」シリーズ、『わたしのお人形 怪奇短編集』、「怪談男爵 籠手川晴行」シリーズ、『もののけ寺の白菊丸』がある。ほかに『化け芭蕉 縁切り塚の怪』『百鬼一歌 月下の死美女』など。また、瀬川ことび名義での著書に『お葬式』『妖霊星』などがある。