

名句誕生の瞬間に立ち会う感動を体感せよ!
曾良視点で描かれる、紀行文学の最高峰。珍道中を楽しみながら、誰もが知る句の「何が凄いのか」が理解できます!
俳諧の確立のため奥州への旅を望んだ松尾芭蕉。弟子の曾良はその旅に同行することに。師の抱える矛盾に翻弄されながらも、名句が誕生する瞬間に立ち会える感動も味わう。その凄みや壮大な野望を実感するごとに、彼が創作のためには自らとの別れすらも欲していることに気付いてしまう。軽妙な文体で描かれた珍道中を楽しみつつ、紀行文の最高峰に込められた奥深さを体感できる、画期的な歴史小説。
2025年4月18日発売
1,056円(税込)
文庫判/432ページ
ISBN:978-4-08-744765-1
【芭蕉と曾良の足跡を辿る】

【『芭蕉はがまんできない』刊行記念特別対談】
【作家 澤田瞳子さんよりコメント】
「わがまま勝手で、気分屋で、でもこんなに愛おしい芭蕉に出会えるなんて! 俳聖・松尾芭蕉の愛すべき天才ぶりとともに、「奥の細道」の旅を余すところなく堪能できる歴史小説。その旅路の大変な苦労と数え切れない喜び、そして紡ぎ出される数々の俳句を追ううちに、芭蕉と弟子の曾良の二人旅がうらやましくなることうけあいです。」
「着想の斬新さが物語の奥深さ、面白さを創出」
菊池仁さん
着想の斬新さが物語の奥深さと面白さを創出する発光源となっている。特にそれが発揮されているのが、芭蕉と曾良の人物造形においてである。既成のイメージを捨て独自の分析と解釈を駆使することで新しい生命力を付与している。
強烈なカリスマ性を備え、がまんできない芭蕉の行動が鮮烈なエピソードを紡ぎ出す。
加えて、本書の最大の読みどころは、着想の斬新さで武装強化された曾良の豊かさ溢れた人物像である。芭蕉を敬愛し、凝視し続ける曾良に宿っているのは、飛翔する想像力である。それが反映されているのが、取り上げられている芭蕉の句の観賞の深さで、驚嘆すべきものがある。更にそれを練り上げた形容を注入して、完璧といえる解説を施す場面の数々は、本書の肝と言っていい。俳人としての哲学と志をしっかり身に付けた曾良が、師との関係性の中で、生き生きと描かれている姿は、清々しい印象となって残る。
(きくち・めぐみ 書評家)
【青春と読書2025年5月号に書評掲載中!】
【著者プロフィール】
関口 尚(せきぐち・ひさし)
1972年、栃木県生まれ。99年、茨城大学大学院人文科学研究科を修了。2002年、『プリズムの夏』で第15回小説すばる新人賞を受賞して、作家デビューする。07年、『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞を受賞。著書に『君に舞い降りる白』『パコと魔法の絵本』『はとの神様』『サニー・シックスティーン・ルール』『ブックのいた街』『虹の音色が聞こえたら』などがある。
【好評発売中! 関口尚の本】

虹の音色が聞こえたら
絶望的な日々から逃げずに済んだのは、三線と沖縄民謡、そしてあなたに出会えたから。
小5の眠人は、昼間から酒に溺れる父を避け、夜まで公園で過ごす毎日。唯一の理解者は、家庭に事情がありながら元気に過ごす同級生の竜征。ある日、公園の東屋に女子高生が来て、三線という沖縄の楽器を弾き始めた。眠人はその音色に魅了される。彼の人生に新しい風が吹いた瞬間だった。出会いと別れ、友情と恋、進路と自立。理不尽な現実に立ち向かうあなたの心にやさしく沁みる、青春小説。
2022年8月19日発売
693円(税込)
文庫判/320ページ
ISBN:978-4-08-744426-1

明星に歌え
お遍路ツアーに全国から参加した大学生の玲たち。過酷な道のり、それぞれが抱える旅の理由、行く先々で出会う人々。メンバー間の軋轢、結束、そして脱落……。忘れられない夏が始まる。
四国お遍路ツアーに参加した大学生の玲。7人の班で旅が始まる。天真爛漫な太陽、ひねくれた態度の剣也、誰とも打ち解けない花凜……。10歳以前の記憶がない玲だけでなく、それぞれが事情を抱えている様子。過酷な道中、予期せぬトラブルも生じ、離脱せざるを得ない者も。軋轢も和解もあり、やがて結束するメンバー。長い長い歩みの果てに、彼らを待っているものは。忘れられない青春群像小説。
2018年3月20日発売
902円(税込)
文庫判/544ページ
ISBN:978-4-08-745718-6

ナツイロ
あの夏を忘れない……書き下ろし青春小説
みかん農家のアルバイターとして暮らした愛媛で知り合った女子はシンガーソングライター。彼女に振り回された季節は、それでも輝いた日々だったのかもしれない。今どき大学生の青春小説。
2012年6月26日発売
545円(税込)
文庫判/280ページ
ISBN:978-4-08-746850-2

空をつかむまで
市町村合併に揺れる村に住む優太は中学3年生。ひょんなことから同じ水泳部の姫とモー次郎と一緒にトライアスロン大会に出場するはめに。勝利の行方は? あのころのあなたの物語。青春きらめく第22回坪田譲治文学賞受賞作。
膝の故障で得意のサッカーを諦めた優太は、廃校が決まった田舎の中学に通う3年生。無理やり入部させられた水泳部には、姫と呼ばれる県の記録保持者と、泳げないデブのモー次郎しかいない。3人は、なくなってしまう美里中学のため、優勝すべくトライアスロン大会に挑む。市町村合併を背景にまばゆい青春の葛藤と疾走を描いた少年少女小説。第22回坪田譲治文学賞受賞作。
2009年6月26日発売
660円(税込)
文庫判/376ページ
ISBN:978-4-08-746445-0

君に舞い降りる白
君に届けたい光がある――
鉱石を売るバイトをする大学生の桜井は、客の雪衣に恋をする。しかし、彼女は自分のことを全く話そうとしなかった。そしてお祭りの夜、桜井は雪衣の衝撃的な過去を知り――。
もう誰も、好きにならない。鉱石店でアルバイトをする大学生の修二は、そう心に決めていた。しかし、店に来る少女・雪衣(ゆきい)のことが少しずつ気になり始める。次第に距離を縮めるふたりだったが、彼女は自分の素性を一切話さない。だが、ついに彼女が隠していた秘密を知ってしまう。その時、修二は――。人を深く想うということを描いた、心に響く美しい青春小説。
2007年9月20日発売
759円(税込)
文庫判/408ページ
ISBN:978-4-08-746213-5
