沖縄出身作家の小説から、沖縄を舞台とする小説、沖縄の歴史や文化に関するノンフィクションまで。
集英社文庫からは、さまざまな「沖縄本」が刊行されています。
それらをまとめてご紹介。
『琉球建国記 尚円伝』
矢野 隆 著
テーマは「復讐」。 圧倒的な悪役が主人公!
深い闇を纏い、陰謀と欲望に走る金丸の闘いを描く、書き下ろし歴史長編
15世紀から400年以上、明治の世まで続いた琉球王国(第二尚氏)初代国王の誕生秘話!
“いたぞっ!殺せ、殺せっ!”15世紀、琉球王国。伊是名島の貧しい家に生まれた金丸は、田畑に用いる水を盗んだと因縁をつけられ、村人たちから追われる。命からがら故郷を離れて本島に流れ着いた彼は、生き残りと復讐を求めて首里王府に入る。策略を巡らせ、国王にまで上り詰めるが――。深い闇をまとい、陰謀と欲望に走る金丸の闘いを描く長編。明治まで続いた琉球王国(第二尚氏)初代国王の誕生秘話!
2024年12月20日発売
858円(税込)
文庫判/352ページ
ISBN:978-4-08-744726-2
『あなたの隣にある沖縄』
澤宮 優 著
「なぜ実家の熊本にブーゲンビリアの花?」
そこから始まった、ヤマトンチュによる沖縄をたどる旅。
中世のグスク(城)、学童集団疎開、ハンセン病、基地問題……。
沖縄の過去と現在を見つめ、未来を照射するノンフィクション。
沖縄は好きですか? 年に何回くらい行きますか? 現地に行かずとも沖縄を感じられるものがあるといいですよね。身近な草花や歌謡曲、TVのヒーローものや美術作品など、あなたが触れる身近なものに、実は沖縄とのリンクが存在します。それらを頼りに、沖縄の歴史や現在抱えている問題を見つめ直すノンフィクション。丹念な取材で、曖昧な知識を確かな認識へと昇華させた、著者の真骨頂といえる本。
2024年8月21日発売
770円(税込)
文庫判/320ページ
ISBN:978-4-08-744687-6
『沖縄密約 ふたつの嘘』
諸永裕司 著
国は昔も今も我々を欺いてきた。
1972年、政府の隠蔽を告発し、国家によって葬られた西山太吉氏の足跡を追ったルポ。
西山氏本人ではなく、彼に近い二人の女性の視点から追うことで「沖縄密約事件問題」の核心を本質的にとらえる試み。
米統治下にあった沖縄の返還を前に交わされた日米間の密約。それを告発した新聞記者の西山太吉氏。しかし女性事務官から機密を入手した取材手法に問題をすり替えられた。密約が米公文書によって裏付けられたのはそれから30年近く後。本書は西山氏の妻と弁護士、二人の視点から描くという独創的な切り口で、西山氏の功罪を照射する。沖縄の問題にとどまらない、政府の闇を暴くノンフィクション。