よみもの・連載

第二回優秀作は、いぬじゅん『北上症候群』に決定!

北上
話を変えるために(笑)、参考図書にいきましょう。
江口
今月の参考テキストは、まず『Seven Stories 星が流れた夜の車窓から』(文藝春秋)。これは少し説明が必要ですね。5人の作家と2人のクリエイターが描くアンソロジーで、共通して舞台になるのが豪華寝台列車「ななつ星」。あとは、説明不要の名作2作。江國香織『神様のボート』(新潮文庫)と、有川浩『クジラの彼』(角川文庫)。テキストの『北上症候群』のポイントが遠距離恋愛と夜行列車なので、この3作を参考図書とします。

文藝春秋 初版
2020年11月25日刊

『Seven Stories 星が流れた夜の車窓から』
糸井重里 井上荒野 恩田陸 川上弘美 小山薫堂 桜木紫乃 三浦しをん

あらすじ

この扉の向こうに、秘密を抱えた旅人たちがいる――豪華寝台列車「ななつ星」の旅から生まれた5編の物語と2つの随想。ゆっくりと流れる時間の中、人は、それまで口にしたことのない言葉を語り出す。7人の作家・クリエーターが贈る極上のストーリー。

新潮文庫 文庫初版
2002年7月1日刊

『神様のボート』 江國香織

あらすじ

昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をした。「私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子」。必ず戻るといって消えたパパを待って、ママとあたしは引越しを繰り返す。「私はあのひとのいない場所にはなじむわけにはいかないの」「神様のボートにのってしまったから」――恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の遥かな旅の物語。

角川文庫 文庫初版
2010年6月25日刊

『クジラの彼』 有川浩

あらすじ

『元気ですか? 浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦(クジラ)乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる……。表題作はじめ、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。制服ラブコメシリーズ第1弾!

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