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担当者からのオススメ!
販売担当 とろんちゃんからのオススメの本
とろんちゃんオススメの本
『危険な食卓』 小池真理子 著
今日の献立はちょっと危険―
とろんちゃんオススメの本 『危険な食卓』 小池真理子 著
 

カップル、あるいは夫婦の間で交わされる「今日は何食べたい?」「夕飯何にしようか?」という問いと、「何でもいいよ」「君が好きなものでいいよ」という返事。そりゃ、海外旅行から帰ってきて、「久しぶりに日本食が食べたいの!」とか、「月島に来てるんだから、もんじゃでしょ」と答えられれば良いのですが、何を食べるのか?を聞くときは自分の中に答えがないことが多いものです。わからないから聞いてるんだよ! あるいは、何でもいいというから得意料理を出していたら「いつも同じだね」「あきちゃった」と言われた日には軽い殺意も覚えます。

ご紹介する、『危険な食卓』は、健康至上主義の妻・基子とシナリオライターで美食家の夫・祥一との、離婚前最後の晩餐のお話。基子は玄米と無農薬野菜しか食さず、ワインには防腐剤が入っている。牛乳も無農薬飼料のものしかダメ!と徹底しています。対する祥一は、タバコやワインをたしなみ、健康に気を遣うよりも、食べたい時に食べたいもの、旨いものが食べたいタイプ。そんな二人の食卓は「夕飯何食べたい?」なんて会話もなく、基本的には別メニュー。基子からの離婚の申し出も、祥一はすんなり受け入れます。これで、肉を食うときに遠慮する必要もなくなる♪と。とはいえ、基子の思う通りにするのも癪に障る祥一は「あいつを死ぬほど慌てさせてやろう」と考え、基子に離婚前の最後の食事を持ちかけます――
夫が夫なら妻も妻。罠を仕掛けた祥一ですが、基子と二人で囲む食事がすんなり終わるはずもなく――二人にとって、これが最後で良かったのかも。

実は、表題作『危険な食卓』は30ページほどの短編です。
最初の一篇『囚われて』も、ある夫婦のお話。毎年、誕生日の度にぬいぐるみを贈る夫。夫は、私の仕事や友人と会うことを禁じ、命令と警告を発し続け、私はもうその状態に慣れてしまう。唯一の楽しみは空想することだけ。そんな中、一匹のチワワを見つけ、さらに谷村という青年と出逢い・・・私は何に「囚われて」いたのか。ゾクッとする一篇です。

次は『同窓の女』。中学時代の同級生・鈴木和代から突然電話がかかってきた律子。結婚を考える恋人もいるが、人に言えない秘密を抱えている。しかし、和代もなぜかその秘密を知っているようで――facebookやLINEなど、最近会っていない同級生とも連絡がつき易くなりましたね。「久しぶり〜」「最近何してるの?」や学生時代の話で盛り上がったり。でも、そんな再会の裏には……なんてことは考えませんが、やっぱり一番怖いのはお化けより妖怪より人間ですね。

その他、日常から生まれる悪意や殺意を題材にした短編5編を収録。
どちらも短編で長いお話ではないのですが、ゾクっとしたり、ピリっとしたり。まるで、小説版・【世にも奇○な物語】。通勤・通学のお供にオススメです。



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プロフィール
とろんちゃん
ツンデレ食いしん坊販売担当
趣味のトロンボーンを10年以上続けているのに、歌を歌うとジャイ○ンも真っ青な超絶オンチ。
でも、中にはこの不思議な音程がクセになる人もいるハズ★
と、文庫片手に運命の人を探し中。
いわゆる【女子力】はからっきしないけども、持ち前の【突破力】で、解決できるハズ★と信じてる。

読書中は、常に自分が主人公になったつもりで妄想モード。
「もし、こんな人が目の前に現れたら・・・」「もし、自分がこの会社にいたら・・・」
と妄想が止まらない!!!
ハッピーなお話はもちろんだけど、切ない小説を読んで「もし、あの時・・・」と、悶々考えるのが実は好き。
Archive
2015.04.17
  『危険な食卓』
小池真理子 著
2014.12.16
  『王妃の館 上・下』
浅田次郎 著
2014.05.20
  白蓮れんれん
林真理子 著
2014.01.17
  ばけもの好む中将
瀬川貴次 著
2013.04.19
  私を知らないで
白河三兎 著
2012.12.14
  さよならバースディ
荻原 浩 著
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