「やはり、初草はきみに任せておけば安心だな」
大切な初草を救うため、宗孝は意を決して凶賊の牙城へ――!
平安冒険譚、佳境!
「十二の君は預かった」。不吉な投げ文に、慌てて真白の実家に向かった宗孝。姉の無事を確かめてほっとしたのも束の間、宣能の妹・初草が凶賊・多情丸に連れ去られたことが発覚する。初草を取り戻すため、宣能と宗孝は夜の都を駆け回るが……。いよいよ迎えた多情丸との直接対決、その衝撃の顚末とは!? さらに、事件の裏でそれぞれの恋路が密かに動き出し――。平安冒険譚、シリーズは佳境へ。
2024年10月18日発売
704円(税込)
文庫判/240ページ
ISBN:978-408-744710-1
【シリーズ好評発売中!】
ばけもの好む中将
平安不思議めぐり
貴公子だが怪異を愛する変わり者の中将に、中級貴族の宗孝は何故か気に入られて――。
ばけもの好む中将
弐
姑獲鳥と牛鬼
「泣く石」の噂を追って出掛けた都のはずれで二人が見つけたのは、宣能の隠し子!?
ばけもの好む中将
参
天狗の神隠し
宗孝の姉が見たという「茸の精」の正体を確かめるため、宣能と宗孝は山へ向かうが……。
ばけもの好む中将
四
踊る大菩薩寺院
奇跡が起こるという寺に参拝に訪れた二人は、とんでもない騒動に巻き込まれる!?
ばけもの好む中将
五
冬の牡丹燈籠
ばけもの探訪をやめてしまった宣能を心配する宗孝。怪異スポットを再訪しようと誘うが……。
ばけもの好む中将
六
美しき獣たち
帝の寵愛を受ける異母姉を妬み羨む、宗孝の九の姉。彼女の前に怪しい老巫女が現れて――。
ばけもの好む中将
七
花鎮めの舞
姉・梨壺の更衣の出産が迫るなか、宗孝は宣能とともに、桜の精霊の怪異を訪れる!
ばけもの好む中将
八
恋する舞台
帝の舞を披露したことでモテ期が到来した宗孝。だが、数多の恋文のなかに死者からのものが……。
ばけもの好む中将
九
真夏の夜の夢まぼろし
夏の離宮での宴に招かれた二人。この地で起きた過去の惨劇を聞いて、宣能は色めき立つが……。
ばけもの好む中将
十
因果はめぐる
重大な秘密を知ってしまった宗孝は、賊の目をかいくぐって都を右往左往する羽目に!
ばけもの好む中将
十一
秋草尽くし
復讐に燃える宣能と、彼を思い留まらせたい宗孝。そんな二人の前に、妖しい白い浮遊物が現れ――。
ばけもの好む中将
十二
狙われた姉たち
宣能を案じて空回りしてばかりの宗孝。彼の異母姉たちに忍び寄る、恐ろしい魔の手とは⁉
【スピンオフ作品も好評発売中!】
ばけもの厭ふ中将
戦慄の紫式部
「今源氏」と噂される色好みの貴公子・雅平。恋の数だけ、紫式部の祟りが襲う!?
「源氏物語」にまつわる平安あやかしコメディ。
【著者プロフィール】
瀬川貴次(せがわ・たかつぐ)
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。集英社コバルト文庫に「聖霊狩り」シリーズ、「鬼舞」シリーズなど著書多数。集英社文庫に『波に舞ふ舞ふ平清盛』、『闇に歌えば 文化庁特殊文化財課事件ファイル』、「暗夜奇譚」シリーズ、「ばけもの好む中将」シリーズ、オレンジ文庫に「怪奇編集部『トワイライト』」シリーズ、『わたしのお人形 怪奇短編集』、「怪談男爵 籠手川晴行」シリーズ、『もののけ寺の白菊丸』がある。ほかに『化け芭蕉 縁切り塚の怪』『百鬼一歌 月下の死美女』など。また、瀬川ことび名義での著書に『お葬式』『妖霊星』などがある。