さつき姐さんオススメの本
『旅屋おかえり』 原田マハ 著
「おかえり」という言葉。温かくて、ホッとしませんか?
「いってらっしゃい」「ありがとう」「よかったね」「がんばって」など、心に響く素敵な言葉がたくさんある中で、「おかえり」ほど、安心感があって、じわ〜っと心に沁みる言葉はないと思います。私がこの本を手にした一番の理由は、タイトルに惹かれて、でした。
そこで、あえて先入観を持たず、読み始めると……めちゃくちゃ元気になる、さすが、マハ作品!と、グイグイ惹きこまれて、もちろん、心が温かくなって、明日もがんばるぞぉ〜〜という気持ちになりました。裏切りませんっ、マハ作品! そしてもう一つ、私がこのたび改めて発見したことは、一生懸命な人の周りには素敵なことが落ちている、ということ。旅先でも、日常生活の中でも。主人公はとにかく一生懸命。失敗もたくさんしたし、悲しいことも山ほど経験している。でも、いつでも前を向いて、周りの人に助けてもらいながら、感謝して感謝して、誰かのためにがんばっちゃう。怒られそうでも、すべてを失いそうでも、突き進む。そんな主人公の行く先には、素敵なことが落ちている。小説だから、ではないのです。この小説の中のことが、とても身近に感じました。私たちの周りにもきっと、落ちている……そんなふうに思えてきました。
「おかえり」。この小説では、別の意味もあるのですが(笑)、「おかえり」って、ほんと、素敵です。いいです。元気をたくさんもらえます。
仕事や恋愛でちょっと落ち込んでいたり、何か最近、楽しいことがないな〜と思ったら、是非、手にとって読んでみてください。そして、家族が家に帰ってきたら、「おかえり!」って、今日から言いましょうね。
プロフィール
- さつき姐さん
- “夢見る夢子”の販売担当
- 潮風と車と音楽が好きなバブル世代。
恋愛ドロドロ系と、ダイエットレシピ本が元気のモト。“週末は文庫を片手に○○しよう”運動を勝手に推進中!
-
2017.04.20 旅屋おかえり 原田マハ 著
-
2016.12.16 はじめてのルーヴル 中野京子 著