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『寺暮らし』 森 まゆみ 著
寺暮らしってなんて素敵!!
『寺暮らし』ってタイトルを見て、お坊さんの暮らし?と思いきや、装丁はかわいらしいイラストのこの本。
一体どんな本なんだ?と読んでみた。目からウロコ。
母親である著者が、3人の子どもをつれてお寺の境内に建つ小さなマンションに住むという、素敵なエッセイでした。
なんて寺暮らしって素敵なんだ!うらやましい!
(装丁のイラストレーター・杉田比呂美さんも大ファンなんです!)
境内にあるマンションは、都会なのに、日当たり良好、周りは緑も多い(お墓だから)。
3人の子どもに、引越しをすることをはじめて言うシーン。
「いまの家から歩いて3分くらいかな。学校は少し遠くなるけど歩いていけるよ。お寺の中の小さなマンション。だけど和風で畳が多いの」
「見にいく見にいく」
なんだか素敵なやりとり。このほかにもお寺の菜園でとれたトマトをもらい、食べるシーンもある。
クーラーをつけずに窓をあけたら、風が通って気持ちよかったというシーンもある。
そういうシーンってなんだかいいですよね!
ふと女性誌のインテリア特集が頭をよぎる。お金をかけ、工夫を凝らした部屋づくり。
この寺暮らしは、それとは逆で、すべてがシンプル。
自分たちの環境、という意識ではなく、
町の中に住んでいる、という意識。
著者の森まゆみさんの生き方、そしてあたたかさ
にも関係していると思う。
「人間関係と人づきあいの名手である」(解説より)といわれる著者も片付けのニガテっぷりとか、豪快さに、なんだかとても親近感。
女の子の部屋なんだからキレイにしないといけない、とか、空調をやたら気にしないといけないだとか、普段思っていたことが、実は誰かにうえつけられた強迫観念ではないか……といつのまにか思えてきます。
それにしても、『ワセダ三畳青春記』に続き、『寺暮らし』を推薦するワタシ……(共通点は、タタミ、か?タタミのあの、イグサのニオイ、好きなんですよねえ〜)。
『ワセダ三畳青春記』のあの環境ははうらやましくても真似できないが、
こちらはうらやましい上に真似したい!
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あすか
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体育会系熱血宣伝ウーマン
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島への旅とテニスが趣味で、本は自然の中で読むことが多い??好きなジャンルは恋愛小説と、ノンフィクション!
2008.04.18
クアトロ・ラガッツィ(上・下)
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2007.12.14
自由死刑
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2007.10.19
『鉄道員(ぽっぽや)』収録短編
「オリヲン座からの招待状」
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秋月しのぶ 訳
2007.04.20
鳥が教えてくれた空
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笑う招き猫
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2006.10.18
寺暮らし
森 まゆみ著
2006.07.20
ワセダ三畳青春記
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2006.06.15
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