マクロ福田オススメの本
『Ker 死神の刻印』 エメリー・シェップ 著
/ ヘレンハルメ美穂 訳
/ ヘレンハルメ美穂 訳
クールで感情を表に出さない美人検事、ヤナ・ベルセリウス。
彼女には九歳以前の記憶がなく、毎晩のように見る同じ悪夢と、うなじに刻まれたKer(ケール)の文字だけがその手がかりだった。
そんな時、とある殺人事件に関わった少年の遺体にも、同じような文字が刻まれているのを見て――。
今回私がご紹介するのは、『Ker 死神の刻印』。
スウェーデンのミステリで、最初は自費出版だったのが話題になり、今では20ヶ国以上で版権が買われているんだとか。
読んでみて、とにかく中盤以降の疾走感にヤラれました。
殺人事件発生、意味深な少年の遺体、被害者のパソコンから見つかった謎の数字。
それらの意味を知るそぶりを見せる男と対峙し、さあ、ここからだ……というところで。
「えっ、こんな展開アリなの!?」
思わずそう呟いてしまうくらい、唐突で衝撃的な展開が待ち受けていました。
それを皮切りに、主人公・ヤナは過去の記憶を取り戻していきます。
自らがある島で育てられたこと。その島で特殊な教育を受けていたこと。
ひとつ思い出すごとにまた次の記憶、また次の記憶と、ただただひたすらに自分の過去を取り戻そうとする切迫感はページをめくっていて不安になるほどで、目が離せません。
クライマックスはただただ強烈で壮絶で、悲しくて。
一気に読み終わった後には、ヤナの今後が気になること間違いなし!
ぽっかり時間の空いたとき、ぜひぜひ読んでみてください!
プロフィール
- マクロ福田
- 最近お腹が気になる販売担当
- 理系出身で、修士論文は"2-ヒドロキシピリジン類の固体状態における互変異性平衡"だったのになぜか出版社に入社。配属後すぐに会社の釣り部に入部して、月一で沖に出ている。日本酒が好きで、旅行に行って必ず買うのは地酒とぐい飲み。小説は空き時間に一気に読んでしまいたいタイプ。
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/ヘレンハルメ美穂 訳