今回、ご紹介するのは早見和真・著『６　シックス』です。
タイトルの『６　シックス』とは何を意味するのでしょうか。
それは慶應義塾、東京、法政、明治、立教、早稲田大学が参加する、日本最古の大学野球リーグ、東京六大学野球のことです。大学野球に関わる人々の愛情、挫折、孤独などの感情を丁寧に描いた本作は大学ごとに主人公がいる６つの短編集となっています。
簡単に登場人物を紹介します。

1. ① 補欠から東京大学のエースピッチャーになる深町
2. ② 甲子園のスター選手だったが怪我でマネージャーに転身した法政大学・西宮
3. ③ 早稲田大学にコンプレックスがある明治大学の就活生・北島
4. ④ ミス立教を目指す女子学生・明子
5. ⑤ 慶應義塾大学野球部の息子とわだかまりがある母・紀子
6. ⑥ 甲子園の優勝ピッチャーでプロ、マスコミ注目の早稲田大学エース・星

野球のルールを知らなくても面白い！
野球をプレーすることそのものより、野球を通して悩み、葛藤（格闘でもある）し、成長していく心の有り様に誰もが一度は経験する自分の青春時代を重ねること受けあい。
大学生はまだ何者でもないけれど、これから何者にでもなれる無限の可能性がある！ということを思い出しました。本書を読んで「どこか自分に似ている」という登場人物を見つけてくだされば嬉しいです。