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大井氏オススメの本
『博士の異常な発明』 清水義範 著 |
間違いなく言えるのは、面白いということ |
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私が出張に行ったときの“文庫お供率”ベスト3に入る作家が、清水義範さんです。仕事で疲れたところに、笑える短編がとても心地いいのです。しかもどれを選んでもハズレなし。もちろんこの『博士の異常な発明』も私のイチオシです。
映画のタイトルをモチーフにした書名ですが、これは収録されている作品すべてに対してつけられた絶妙の題です。
収録されているのはどれも秀逸な短編です。
ペットボトルを分解する“ポリクイ菌”を描いた「文明崩壊の日」。すばらしい発明だと思うのですが、これがなぜ人類にとって最悪の結末になるのでしょうか……(それは読んでのお楽しみです)。
121世紀(!)を舞台に、私たちが生きる21世紀を考古学で見た作品もあります。「東京の人口は20万人もいた!?」「博多ケ里遺跡には『王』がいた」など、トンチンカンで突っ込みどころが満載。思わず笑ってしまいました(「鼎談 日本遺跡考古学の世界」)。
そして、新しい透明人間の原理を描いた「半透明人間」も最高です。
科学ギライな方でも十分楽しめる作品ではないでしょうか。SF小説と言ってもいいかもしれませんが、それは読む人の自由な判断。
間違いなく言えるのは、面白い! ということです。ぜひご一読くださいませ。
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大井氏 |
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書籍販売一筋 |
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知的でクールなキャラクターで通っているが、
お酒を飲むと、生まれながらの江戸っ子が出てくる。
飲まなければ素敵なのに、との噂もチラホラ。
好きなジャンルは本格ミステリ。 |
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