- 『流警 傘見警部交番事件ファイル』 松嶋智左 集英社文庫
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県警捜査一課の刑事だった南優月は、被疑者の護送中に起こした事故が理由で、「流刑」に。警察署から格下げされた、過疎地の警部交番で、みそぎの日々を過ごしていた。そんな辺境の地に突然、キャリア警視正・榎木孔泉が赴任する。時を同じくして、地元の名士の妻が殺害され、ともに犯人を追うことになる。謎が謎を呼ぶ捜査の行方は? 矜持を見失った警察官の行く末は? 元白バイ隊員の著者が書き下ろす、迫真の警察小説。「警察の隠蔽体質のリアリティー。そこが私には一番面白かった」と語る黒川博行さんとの対談付き。
今回は警察小説。松嶋智左『流警 傘見警部交番事件ファイル』に決定!
- 江口
- それでは、第9回「いきなり文庫! グランプリ」の座談会を始めます。今回優秀作に選ばせていただいたのは、松嶋智左さん『流警 傘見警部交番事件ファイル』です。
- 吉田
- 私は、警部交番という言葉を本書で初めて知りました。一昨年の春までは傘見警察署だったのだけど、地域の人口減少に伴い警部交番に格下げになった、という設定で「いうなれば警察署の出先機関」「住民のための相談窓口という体裁」だと説明されています。その警部交番に勤務する南優月巡査部長が本書の主人公。
- 浜本
- 彼女には県警本部捜査一課の刑事だった時に、捜査車両を運転中に事故を起こして異動になった、という背景があって、今は警務係。主人公が刑事ではない警察小説というのが新鮮でした。
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