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大井氏オススメの本
『神々の山嶺(いただき) 上・下』夢枕 獏 著
そこにあるのは、ずしっとした満足感。
家族やお友だちから、「何か面白い本ない?」と訊かれたことはないですか? 意外と答えるのが難しいんですよね、この質問は。そんな時には、この「神々の山嶺(いただき)」を読んでおくと、きっとこれをすすめたくなりますよ。
カメラマン・深町は、ネパールのある店で壊れたカメラを発見する。それはあのジョージ・マロリーのカメラだった。
(ジョージ・マロリーは、「なぜエベレストに登るのか」という問いに「そこに山があるからだ」と答えたとされる歴史的な登山家。エベレストに消えたものの、世界初の登頂を果たしたか後に死んだのか、その前なのか、は、今でも永遠の謎になっています)
そのカメラを追う過程で現れる、孤高の天才クライマー・羽生丈二。天才だが何かと問題児でもある羽生はネパールにいた。狙うのは前人未踏の、エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂。なぜそんな厳しい条件で、彼は山に登るのか――。
前述したマロリーの「そこに山が−」という答えは、ある意味「誤訳」という話もあるそうです。が、この小説では、「人はなぜ山に登るのか?」という問いに、主人公・羽生を通じてひとつの答えが出されています。
また、登攀についての描写・
クライマーの心理描写が、厳しいくらい臨場感があります
。はっきりいいますが、
ハリウッドの大作山岳映画などでは比較にならないくらいの迫力
で読み手に迫ってきます。そしてクライマックスの衝撃――。
ちょっと扇情的に書きすぎたかもしれませんが、
読了後のカタルシスは並みのものではありません。
きっと、
ずしっとした満足感が得られると思います。
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大井氏
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書籍販売一筋
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知的でクールなキャラクターで通っているが、 お酒を飲むと、生まれながらの江戸っ子が出てくる。 飲まなければ素敵なのに、との噂もチラホラ。 好きなジャンルは本格ミステリ。
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