第5回「いきなり文庫! グランプリ」優秀作に、長月天音『ただいま、お酒は出せません!』を選出
- 北上
- それでは、もう一度、『ただいま、お酒は出せません!』に話を戻しましょう。
- 江口
- これは食べ物小説ではなく、レストランで働く人の事情と日々を描いた小説なんですね。
- 吉田
- お仕事小説ですよね。30代、バツイチ、パートというヒロインをよく描いてますよ。
- 北上
- コロナ禍における飲食店を描いた小説って、他にないの?
- 江口
- ないんじゃないですかねえ。
- 吉田
- その意味では貴重な記録小説でもありますよ。
- 北上
- この『ただいま、お酒は出せません!』は2022年4月の発行なんですが、9月にハルキ文庫から、同じ作者の『神楽坂スパイス・ボックス』という小説が出ています。たまたまその新刊を読んだんですが、大変うまくなっている。『ただいま、お酒は出せません!』も面白いんですが、『神楽坂スパイス・ボックス』を読むと、この作家はどんどん進化しているなという気がします。ということで、そろそろ結論ですが、この『ただいま、お酒は出せません!』を年末のグランプリ大会に出場する作品として残したいと考えますが、どうですか?
- 吉田
- 異議ありません。
- 江口
- 私も、異議ありません。
- 北上
- それでは、『ただいま、お酒は出せません!』は残留? 昇格? 何て言うの?
- 江口
- 年末グランプリに出場と。
- 北上
- そういうことです。お疲れさまでした。
2022年9月14日収録 座談会は感染対策に気をつけて行いました。
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