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『神々の山嶺(いただき) 上・下』 夢枕 獏 著
なぜ、愛する人を捨ててまで、山に登るのか。
このコーナーで、自分のだいすきな集英社文庫を紹介するのが小さな夢だった私。
ついにその夢が叶うことを知り、あれもこれも紹介したい・・・と考えに考えて、出た結論が『神々の山嶺』。
超有名作なのに、あえてなぜここでプッシュ?!と突っ込んだ、そこのアナタ!!
確かにおっしゃるとおりです。
夢枕獏さんの、言わずと知れた代表作。
第11回柴田錬三郎賞も受賞していて・・・。
マンガ化もされていて・・・。
でも、でも、この作品に刻まれた「人間の生き方」に、惚れこんでしまっているんです!!
物語は、1924年のイギリス第3次エベレスト遠征隊で頂上にアタックしたものの遭難し、実際に登頂できていたかどうかが未だにわかっていない、ジョージ・マロリーという実在の人物のカメラが見つかった、というところから始まります。 登山の歴史をゆるがしかねないこの謎を追う、カメラマンの深町誠が主人公なのですが、この深町を含め、
登場人物のほとんどが「山」に魅せられた人々なんです。
普段、まったくこうした小説を読まない私が、手に取ったのは、とある書店員さんの、こんな一言があったから。
「もう、すごいんです。登場人物の生き様が。絶対に損はさせません!!」
そのまま、家に帰って読み出して、朝まで一気読み。
なぜ、人は危険を冒してまで、山に登るのか。
なぜ、愛する人を捨ててまで、山に登るのか。
読みながら感じる、そうした問いは、いつしか
なぜ、迷うのか。
なぜ、進むのか。
なぜ、生きるのか。
といった、人間への根源的な問いに変わっていきました。
深町が、マロリーの謎を追う内に出会う、伝説のクライマー羽生丈二の「山のために何もかもを捨てる生き方」は、人間として、本当に究極の生き方。
自分には絶対できない。
でも、惹かれる。
虜になってしまうんです。
『神々の山嶺』を読んでから、自然に対する見方が変わり、自分に正直に生きることの苦しさ、そして大切さを学びました。
雪山を登っているのに、何より熱い気持ちになれる小説!!
ぜひ、この夏、体感してください!!
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ツナ子
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いつでも暴走(妄想)モード突入!
新婚・販売担当。
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実家は静岡・マグロの卸問屋。
今日も目指すは、マグロ・・・ならぬ「発掘本」の一本釣り★
「この本・・・絶対に売りたい・・・!売れる・・・!!」
思いこんだら、即行動。
そのまま一気に暴走、もしくは妄想モードに突入し、周りの言葉が耳に入らなくなることもしばしば。
いいのか悪いのか?!
好きなジャンルは、大人も楽しめる児童文学ファンタジー。
ミリオンセラーを出すまでは、旦那も二の次。
今宵も販売街道を突っ走ります。
2012.10.19
思い出のとき修理します
谷 瑞恵 著
2012.03.16
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2011.11.18
黒笑小説
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2011.4.20
奇跡
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2010.12.16
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2010.8.25
神々の山嶺(いただき) 上・下
夢枕 獏 著