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『あの日、パナマホテルで』 ジェイミー・フォード 著 / 前田一平 訳
"忘れられない恋"って、誰にでもあるのだろうか?
会社にいて、家族といて、ふと思う。
"忘れられない恋"って、誰にでもあるのだろうか?
いつも一緒にお昼ごはんを食べに行ってくれるあの先輩。
時々バシッと怒るけれど、いつだって親身になってくれる上司。
もう何十年と同じ相手と一緒にいる父親。母親。
身近な存在のはずなのに、想像できない。
それは、"忘れられない恋"は過去のものだから?
心の奥底に沈めた想いだから?
そこに痛みを伴うから?
でも、この本を読んだら、きっと誰にでもあるんだって、思った。
人間ひとりひとりに、それぞれの物語がある
んだって、そう、思える本。
『あの日、パナマホテルで』
の舞台は米・シアトル。
実はこのタイトルにある「パナマホテル」は実在するホテルで、日本人街があったシアトルで、銭湯があることで親しまれていたとのこと。
第二次世界大戦が始まり、強制収容所に連行された多くの日本人が自分がどうしても捨てられない物をこのパナマホテルの地下に隠し、戦後、しばらくしてからそれが発見され、当時はニュースで話題になったらしい。
この、実際のニュースを元に繰り広げられるのが、『あの日、パナマホテルで』の物語。
シアトルの航空会社を早期退職し、病の妻を看取った中国系アメリカ人のヘンリー。
絶望の淵にいたが、そんな時、「パナマホテル」で40年ぶりに日系人の荷物が発見されたことを知る。
そのホテルを訪ねてみると、そこには12歳の時に恋した日系人・ケイコの傘がー。
そこからヘンリーはケイコの消息を探し始めて、そして、12歳の淡く真剣な恋物語が当時に戻って描かれていく。
誰かをひたむきに思い続けることの難しさ、素晴らしさがこの小説には詰まっている。
そこが、いろんな人の共感を呼ぶんだと思う。
物語を
読んでいる内に、自分の思い出がどんどん引き出されていく
のが、すごい。
「あぁ、こんな気持ちを確かに抱いてた」って自分の気持ちなのに実感する。
大切な記憶に気づかされて、涙したりする。
今度、先輩にこの本を薦めて、感想聞いてみようかな?
先輩の、知らない恋の話が聞けるかも(^-^)v
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ツナ子
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いつでも暴走(妄想)モード突入!
新婚・販売担当。
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実家は静岡・マグロの卸問屋。
今日も目指すは、マグロ・・・ならぬ「発掘本」の一本釣り★
「この本・・・絶対に売りたい・・・!売れる・・・!!」
思いこんだら、即行動。
そのまま一気に暴走、もしくは妄想モードに突入し、周りの言葉が耳に入らなくなることもしばしば。
いいのか悪いのか?!
好きなジャンルは、大人も楽しめる児童文学ファンタジー。
ミリオンセラーを出すまでは、旦那も二の次。
今宵も販売街道を突っ走ります。
2012.10.19
思い出のとき修理します
谷 瑞恵 著
2012.03.16
あの日、パナマホテルで
ジェイミー・フォード 著 / 前田一平 訳
2011.11.18
黒笑小説
東野圭吾 著
2011.4.20
奇跡
岡本敏子 著
2010.12.16
鳩の栖
長野まゆみ 著
2010.8.25
神々の山嶺(いただき) 上・下
夢枕 獏 著