担当者からのオススメ!

Recommendation

販売担当まろのオススメの本 『パラ・スター 〈Side 百花〉』
『パラ・スター 〈Side 宝良〉』 阿部暁子 著
販売担当まろのオススメの本

作品制作・写真/金沢和寛

この感動を、どのような言葉で伝えたら良いのだろう。
「感動」とか「号泣」という言葉も好きなのだが、
それだけでは表現できない“もどかしさ”が私の中でうごめいてしまう。

「たくさんのスポーツの中に、車いすを使う競技がある」ということは、もちろん知っていた。でも、注目したことはなかった。そもそも、スポーツ観戦そのものにあまり触れてきていない人生だ。
それでも、『パラ・スター』を読み終わったときに、真っ先に思ったのが、
「近いうちに必ず、車いすテニスの試合を生で観戦しよう」ということだった。

中学二年の春、イジメられていた百花は、同学年の宝良に助けられる。
ただし、「あんたみたいな自分で戦おうとしないやつは、反吐が出るほど嫌いなの」という言葉とともに。
傷つきつつも、その強烈さに惹かれ、百花は宝良につきまとい、しつこさを武器に友人枠を勝ち取る(弱そうに見えても、実は芯が強い少女だった)。
宝良は、プロテニスプレイヤーを目指し、ただひたすら上を見上げていた。
だが、高校二年生になって、宝良は事故に遭う。
夢は絶たれた。・・・・・・百花がいなければ、きっと、彼女の夢はなくなっていた。
ふさいだ毎日を送る宝良の元に、百花が届けた想い。
二人で見に行った、車いすテニスのジャパンオープン決勝。宝良の夢は、百花と目指す夢になる。
「たーちゃんはパラリンピックにも出るくらいの、最強の車いすテニス選手になって。わたしは、たーちゃんのために最高の車いすを作るから」

この文章を書いているだけで、思い出し泣きをしてしまう。
車いすメーカーで働くことで見えてくる世界、
車いす競技をすることで見えてくる世界、
二人のそれぞれの視点で、1冊ずつ丁寧に描かれることによって、
取り巻く人々の想いも鮮やかに浮かび、私の心を終始揺さぶる。

本を読んでいると、これまでの価値観とか、興味の範囲とか、面白さの上限とかが、
がらがらと一度崩れ落ちて、また再構築されるような瞬間がくることがある。
『パラ・スター』は私にとって、間違いなくその瞬間を与えてくれた1冊であり、おそらく、私以外の誰かにとっても、そういう1冊になるのではないかと思う。

どうか、この本が、よりたくさんの方々に読まれますように。

プロフィール
  • まろ
  • 身体の半分は酒と肴でできている販売担当。肉より魚派。お酒に弱くなってきたのが、最近の悩み。
  • 趣味は料理。盛り付けのセンスは皆無。
  • 読み物の好みは、青春ものとファンタジー。
     「こんな10代、私にはなかった」と彼らの青春に嫉妬し、「こんな世界に逃亡したい」とファンタジーで妄想を膨らませる毎日です。
過去のオススメ!
  • 2020.05.20new パラ・スター 〈Side 百花〉 パラ・スター 〈Side 宝良〉 阿部暁子 著
  • りさ子のガチ恋♡俳優沼
    2019.12.19 りさ子のガチ恋♡俳優沼 松澤くれは 著
  • 悪寒
    2019.09.20 悪寒 伊岡 瞬 著
  • 外道クライマー
    2019.04.19 外道クライマー 宮城公博 著
  • お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課
    2019.01.18 お迎えに上がりました。 国土交通省国土政策局幽冥推進課 竹林七草 著
  • 九つの、物語
    2018.09.20 九つの、物語 橋本 紡 著
  • 幸せ嫌い
    2018.05.02 幸せ嫌い 平安寿子 著
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